代表取締役社長 対馬健司

代表取締役社長 対馬健司

設立 2006年9月15日
事業内容
    • コンピューターグラフィックスの受注制作
    • コンピューター・ゲームソフトの企画開発
    • デジタルコンテンツの企画、開発及び販売
    • 新規キャラクターの開発及びキャラクター商品の版権業務
会社HP http://www.team-nac.com

より正確な線を描く

「パソコンで絵が描ける」

その事実は、私が幼かった頃に受けた一番の衝撃でした。

絵を描くことが好きで、美術の成績も上々。
そんな中学生時代を送っていた私は、CGとの出会いを果たします。
私の親が新しい物好きであったということもあり、
周りの友人たちよりも先んじてパソコンを使える環境が整っていました。
その為、CGに触れることも人より早い段階であったのを覚えています。

よりリアルに。より写実的に。
絵を描く上で、この2つにこだわっていた私にとって、
本当に正確に書きたい線が描けるCGはとても魅力的なものでした。

そうはいってもその時代、まだCG技術はまだまだ普及しておりませんでした。
その為ソフトなども出ておらず、
独学でプログラミングによる作画を行う日々を過ごしていましたね。
もちろん当時の技術で現在のような写実的なCGが表現できたわけではないのですが
その将来性に大変胸を躍らせていた記憶があります。
その後、進学し高校を卒業する時、
私が選んだ道は就職というものでした。
絵を描いているだけでは食べていけない。
そんなイメージがあったのですね。
美大には進学せず、とある大手起業に勤め始めることとなります。

この業界への入り口

こう見ると分かると思うのですが、
幼い時から暫くの間は、ただ絵を描くことが好きというだけで、
起業の事など毛頭ありません。
さらに言ってしまえば、CGの世界に入るまでもまだ時間がかかるのです。

分岐点は27歳の時でした。
技術の進歩により、CGを描くためのソフトが多く出され、
それを使い、趣味で制作をするようになっていた頃です。

ネット上に作品のアップロードを行い、
それを見た企業から、度々声がかかるようになっていました。

「これで食べていけるんじゃないか?」
そう思ったのが人生の分かれ目でした。
何も具体的な働き方を浮かべないまま、
会社を辞めて絵の世界に入る決意をしました。

学校に行った方が良いのだろうか。
そんなことを考えていたある日、とある求人広告に応募した所、
運よくゲーム会社に合格を果たし、絵で稼ぐ生活が本格的に始まったのでした。

そこから一度転職を経て、35歳の時に起業。
その起き立ち上げた会社を分社化したものが、現在のNACになります。

次のステップへ

起業当初から、会社の規模としては30名を基準に経営を続けてきました。
私が見ることが出来るキャパシティを考えた結果、その様な人数になったのです。
今でもこの人数に大きな変動はありません。

しかしこの先、自分自身の、そして会社のステップを考え、
規模を拡大することも考えています。
倍を超えた70名。
これが次の目標となります。

我が社の形態は受託制作が主たるもの。
おかげさまで仕事の依頼は途絶えることなく続けられているのですが、
その順調さが逆に仕事の質に影響してしまっているのが現状です。

というのも、自社で抱えきれない仕事は
他の協力会社に依頼するという事が一般的。
しかし、そうしてしまうとクオリティのバラツキと
供給の不安定という問題がどうしても出てきてしまうのです。

もちろんその差を埋める事を怠りはしませんが、
それならば現在の受注量を基準にお客様にとってより安定した制作物をお届けする為に
自社での内制を強化しようと考えたのです。

その為の人数が70人。
次のステップに向けて、年間10人を目標数値として増やしていこうと考えています。

同じ価値観を持つ人間に対して

私がCGと出会ったのは、先述したとおり、周りよりも少し若い時。
当然周りに同じ様な趣味を持った人間はいなかったのです。
その為、少しばかり孤立している感覚があったのでしょうね。

しかし、この業界に入り周りを見渡すと、
同じような仕事を行う人間であふれています。
当然と言えばそれまでですが、私はこの当然がとても嬉しかった。

その嬉しさは、初めて感じた時のまま、未だに持ち続けている想いです。
そして、その想いは
「同じような価値観をもつ業界の人達を幻滅させたくない」
という気持ちにつながっています。

それは、仕事ぶりであったり、何より仕事内容の作品に現れます。

規模の拡大を、とはすでに述べた通りですが、
その時にも同じような気持ちを持った人材を求めています。
心の底からやりたいという想いを持った人材を、
新卒を中心に募集しようかと考えている所ですね。

仕事の質と気持ち

先程述べた、同じ価値観の人間を幻滅させないようにしたいと考えています。
これには作品のクオリティを保つことが不可欠です。
私たちが行うのはクリエイティブな仕事であり、
その様な仕事には、どうしても仕事に向かう時の気持ちの問題が反映されてきます。

「あ~今日も仕事かー。」
その様に、嫌々ながらに望む仕事と、
「今日も楽しく仕事が出来る!」
そうやる気にあふれて臨んだ仕事とでは、明らかに出来が違ってきます。

それが我々の業界の特徴なのです。
CGは頭の中で思い描けるものすべてを映像として表現できる素晴らしいツールです。
それを扱える才能のある人は大いに楽しんで働いて欲しいと思ってます。
元々私は、熱くなって「やっていこうぜ!」というタイプの社長ではありません。

しかし、心の底からやりたいと思う気持ち、
これは全ての社員に大切にしていてほしいと思います。
受託制作という形態である以上、自分たちの満足で終わってしまってはいけません。
お客様が求めている満足、そして、私たちの満足、
それらを近づける事を目標にしたいのです。
それにはやはり、楽しみながら真剣に仕事に向かい、完成させる意識が大切なのでしょう。