株式会社いきいきらいふ 代表取締役社長 左 敬真


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代表取締役社長 左 敬真

代表取締役社長 左 敬真

設立 2002年4月
事業内容
    • ケアマネジメント・居宅介護支援
    • 訪問介護サービス・デイサービス
    • 福祉用具サービス
    • いきいきらいふSPAフランチャイズ事業
    • 人材育成・開発事業、介護コンサルティング事業
会社HP http://www.ikiikilife.co.jp

特別養護老人ホームに衝撃を受けた設計士の卵時代

設計士になりたかったのは小学校5年生の頃からです。
家の近所に建築現場があって、いつもそこに遊びに行っていました。
するとそこには水道工事業者や電気工事業者、土木工事業者などたくさんの大人たちが働いていました。
誰もが口を揃えて
「坊主、このビルは俺が造ってんだぞ」と誇らしげに言っていたのですが、
「その人たちを束ねている設計士の人ってかっこいいな」と思ったんですね。
それから設計士を目指す道がスタートしたんです。

大学では建築学科に入学し学んでいたんですが、
大学卒業の時はちょうど就職氷河期と重なったこともあって、それならと大学院に進学。
アルバイトをしながら学費を工面して学生生活を送りました。
アルバイトは日雇いのバイトだったので、早上がりになっても日給は同じ。
いかに早く上がれるかを一生懸命に考えてやってましたね。

その内図面をもらって現場を指示を出すようにもなって、
他のスタッフや常勤の社員から
「君と一緒だと仕事が早く終わる」と言われるように。
社長から「君は社長向きだね」と言われたこともありました。
しかし、この時はまだ設計士を目指していた時期。
社長業と設計士というのがなかなかリンクして考えられないでいました。

そうして漠然としながらも何となく独立を考え始め、
35歳で独立しようと決意は固めていました。
そして高齢者の住環境を見に、22歳で特別養護老人ホームの視察に行ったんです。

愕然としました。
入った瞬間から尿集臭いし、ずーっと座りっぱなしのおじいちゃんもいた。
「これが終の棲家か…」
と衝撃を覚えました。
この時に自分が受けたい介護施設を造りたいと思い、
施設ボランティアをしました。

友達10人の意見<経営者10人の意見

設計士としてもゆくゆくは独立を果たしたいと思っていましたし、
この時初めて独立と設計士がリンクしたような気がしました。
設計士として自分が入りたい介護施設を造ろうと思ったんですよね。

そこで、周りの友達10人に、
「介護で独立しようと思ってるんだけど、どう思う?」と聞いて回りました。
すると一様に返ってきた返事が
「介護で働いた経験もないのに?」という
遠回しには反対だという意見ばかりでした。

それだけでは納得がいかなかったので、
今度は同じ質問を就活の時に回った経営者10人に聞いてみました。
すると今度は口を揃えて「独立した方が良いよ」と言うんです!
「やっぱりそうだよな!」と妙に納得して、独立する気持ちを固めることができました。

よくよく考えれば当たり前のことですが、
情報というのは自分が聞き取った情報で左右されるものですから、
聞く対象によって得られる情報は違います。
もし私が経営者10人ではなくて、路上を歩いているサラリーマン10人に同じ質問をぶつけていたとしたら
独立する気持ちは萎えていたかもしれません。
この時に聞く対象、調査する対象って大事なんだなと思いましたね。

こうして大学院を卒業するのとほぼ同時に設立。
事業開始まで少し時間が空いてしまうのですが、
その期間に何をしたかというと、
まずは2級ヘルパーの資格取得でした。
ただ講座を受講しに行くのでは勿体無いと思いました。
そこで、同じく受講しに来ている人たちに
「講座が終わったら独立するので、来て下さい」と声をかけ、
思いを必死に伝えたました。
当時、事業を開始するという時に、30人以上の仲間が集まってくれ、とても嬉しかったです。

いきいきらいふSPAのはじまり

そうして人が集まり、2003年1月には訪問介護事業所「いきいきらいふケアーサービス」を開設。
設立2年目には居宅介護支援事業所「いきいきらいふ居宅介護支援センター」などの事業所2件、
デイサービス事業所1件を開設するなど、急成長。
その間にも障害者支援事業も始めるなど、本当に多忙でした。

ところが、短期間で成長を遂げるのにはひずみが生じることもあるものです。
事業所の数が拡大していくにつれて、
現場の隅々までに目が行き届かなくなってしまったのです。
各事業所所長など、管理者には思いを伝えていたつもりだったのですが、
現場を見回ると伝わりきっていない。
気付けば離職率は7割近くにも及んでいました。

このままではマズイと現場を回って一人一人に謝罪と話を聞かせてもらうようにしました。
圧倒的にコミュニケーション不足だったんですね。
ようやく伝えたい想いが一人一人に浸透していき、
見違えるようにやる気が出た社員もいました。
現場の意見を吸い上げることの大切さを痛感した出来事でしたね。

そうした現場の声から生まれたサービスが入浴専門のデイサービスです。
現場のスタッフから
利用者のなかで満足している人とクレームを出す人に分かれているという意見を耳にしたのです。
原因を追及してみると、
65歳の方と90歳の方に同じサービスを提供しているということでした。
65歳の方は入浴だけ済ませばすぐに帰りたい、要は短期間のサービスで満足なのに対し、
90歳の方は一日のサービスを望んでいる。
これではミスマッチが起こるのも頷けます。
そこで、短期間の入浴専門サービスを提供しようと思い立ったのです。

今後のビジョン

法改正などが進んでいるとはいえ、まだまだ介護の業界は問題が盛りだくさん。
やりがいはある仕事なのですが、労働条件が大変だったりして、なかなか人が集まらない。
人が集まらなければ自ずと管理する幹部社員も育たない。
夢だけを見ていられないというのが正直なところでもあります。

しかし後ろ向きに考えていても物事は好転しません。
経営者というのはどんな時でも前を向いて進んでいくものだと思っています。
厳しい業界だと思いながらも、
自分が受けたいインフラを整備するんだという理想の元にここまで成長してきました。
これからもこの理想が変わることなく、
「自分が受けたい、家族に受けてもらいたい介護サービス」を受けられるような下地を作っておく意味でも
素晴らしい施設、素晴らしい人財を育てたいと思っています。

業界の流れや移り変わりは激しいものもありますが、
流れや煽りに負けない組織体制を作るということ。
その上で自分が受けたい究極のサービスを実現するために、
社会に貢献できる企業であり続けたいと思っています。
そのためにも経営者である自分のレベルアップの努力は惜しまないように磨き続けたいと思っています。

夢を語って充実した人生を送ってほしい

求める人物像については、いかに夢が語れるかどうかということ。
設立当初に私がしたように、
その夢で周りの人を巻き込めない人は、そもそも社員を巻き込むことはできないと思います。

まず巻き込む必要があるのは身内である親。
それまで設計士になるんだと言って、高校、大学と行かせてもらっていましたから、
それでも特養を視察した衝撃を抑えきれずに、とにかく思いを伝えた。
まずは母親へ想いを伝え、その後は父親とも。
でもそれだけディベートをしておくと、
今度友達に聞かれた時にでもスラスラと想いを語れるんですよね。
言葉に力が出ると言いますが、
事業開始時メンバーがあれだけ集まったのもそのおかげだと思っています。

今のビジネスは自分が受けたいと思えるようなインフラ整備を形にしてきているだけ。
だから社員にもやりたいことがあれば「やってみなよ」というスタンスをとっています。

それだけに介護会社で働く従業員たちにはしっかりした当事者意識を持ってほしい。
「誰に介護されたい?」と尋ねたら迷わずに
「僕です!」「私です!」と即答してくれるぐらいの人物が良いですね。
自分が提供しているサービスが世界一だと思って、
自信を持ってイキイキと仕事に従事してほしいんです。

入って2、3年の内はモチベーションだけで仕事は続くものです。
それが4、5年経つとお金もついてこないと離れていってしまうでしょう。
だから経営者としては思いを形(報酬)にできるように土台を整備することが大事。
その先に幸せがあると思ってますので、
働くスタッフにも人生を豊かにするために
この「いきいきらいふ」を利用してほしいなと思っています。

次代を担う若者たちへメッセージ

事業を始めて早13年が経とうとしています。
会社経営は多産多死だと言われていますので、
10年以上続けるというのは自分でもよくやってこれたなと思います。
しかも、大学院卒業とほぼ同時に始めたので、他の会社をよく知らない状態ですから(笑)。

まだまだ経営者と呼ぶにはおこがましいかもしれませんが、
それでも若い世代の方にアドバイスできることはいくつかあります。
若い経営者というとまずクリアしなければいけないのが資金面なのですが、
それ以上に苦労するのが人材集めです。

最初はお金に余裕がありませんから、
求人募集の媒体もどうしてもハローワークだとか求人広告費を抑えて募集します。
不特定多数の方が見るような求人媒体って良くも悪くもいろんな人が見て応募してくるので、
なかなか自分の想いとマッチした人を見つけるのって難しい。
そのなかから自分の右腕、左腕となる人物を育て上げていくって時間もかかるし、大変なことです。
逆に言ってしまえばそこさえクリアできれば、安定化もしやすいと思う。

食べていくだけの仕事は“ライスワーク”。
好きなだけの仕事は“ライクワーク”。
輝かせる仕事は“ライトワーク”だよとよく言っています。
これから就活を迎えるみなさんにはもう一度何をしたいのか、
就活する理由を考え直すことが大事かもしれません。

人生はすべて逆算ですから、
今こうしたい、ああしたいと考えて動くよりも、
10年後にこうなっていたいと考えて動く方が大事だと思います。
就活ってそうしたことを考えさせられるとっても良い機会だと思いますよ。
僅か1年弱やそこらですから、
その時くらい本気で自分と人生に向き合って考えてみることが必要ではないでしょうか。
あとはテンションを上げて自分の思いを伝えられる人間になって下さい!

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