廣済堂あかつき株式会社 代表取締役社長 川野 龍太郎


LINEで送る
Pocket

代表取締役社長 川野 龍太郎

代表取締役社長 川野 龍太郎

設立 1947年8月
事業内容
    • 学校用図書教材・教育関連書籍の出版
    • 図書類の梱包発送
会社HP http://www.kosaidoakatsuki.jp

父親を超えたいという思いから

両親はどちらとも教員、特に父親は40代で校長先生になるほどの家庭環境で育ちました。
当然、両親は教員にさせようという思いが強く、そんなプレッシャーに嫌気がさし、
自分では先生にはなりたくないなぁと思っていました。

大学の時、遊びに夢中になっていたので、
教職課程の学費として仕送りしてくれていたお金は全て遊びに費やしてしまいました。
父親はどうしても教員にさせたかったようでしたから、
それが明らかになった時は焦ったでしょうね(笑)。

父親は親心からか次なる就職先を紹介してくれました。
修学旅行などの団体旅行に強い旅行会社で、
父親の紹介というだけでいきなり営業本部長との面接という特別待遇でした。
しかし、父親が敷いたレールに乗る気はなく、お断りをさせていただきました。
今考えると、面接に行かなければ良いのにと思いますよね!
そこで、自分で学生課に行って就職先を探していたら、
学校図書教材を専門に扱っていた今の会社(当時は株式会社暁図書西部本社)を発見。
「学校相手の仕事なら先生になるよりも父親を超えられるかもしれない」
そんな思いで会社の門を叩きましたね。

営業畑から社長就任へ

本社は東京でしたが、別会社が九州にある会社でした。
社員は10名ほどの小さな会社で、
一番年齢が近い先輩社員の方でも一回り以上離れており、
あとは自分の父親にほど近い年齢の社員ばかりでした。

仕事内容はいわゆるルート営業。
入社して1ヶ月ほどで担当県を持たされ、
当時の社長と初めて担当挨拶に佐賀、長崎へ行ったのですが、
途中から社長が帰ると言い出し、
そのまま次の営業先の長崎へは自分一人で行ってこい!と丸投げ。
仕事の内容すら何も分からないままで、
営業先の販売店様と2人で沈黙していたのを覚えていますよ(笑)。

年齢が離れすぎていることで、ジェネレーションギャップにも悩まされました。
最初はトラブル続きでしたが、
それでも仕事を覚え始めて販売店の先輩方とも次第に心が通い合ってくると仕事は楽しくなってきて、
社内外問わず可愛がってもらいました。
この頃になると営業成績も順調に伸ばしていけるまでになっていたと思います。

人との繋がりの持てる営業が好きで、
営業職を楽しんでやっていましたが、そんな私に転機が訪れます。
別会社の当時の社長が経営でミスを犯し、
会社に大きな損害をもたらしてしまったんです。
そこで、社長交代と同時に私がこの別会社の社長に就任しました。
尊敬していた東京本社の社長から
「メドがつくまで借金を減らせたら一緒にやろう」と言われていたので、
立て直しの為がんばりましたね。
コスト削減などがうまくいき、就任して7年間でその目途がたち、本社と合併する話に。
しかし、尊敬する社長の右腕となって仕事が出来ると思っていた矢先、
社長は病気で帰らぬ人となってしまいました。
一緒に働けることを楽しみにしていただけに本当にショックでしたね。
その後、九州支社長として数年居ましたが、
今から2年前に、亡くなった社長の思いを引き継ぐ形で本社の社長に就任。
22歳で就職してから60歳になるまでずっと九州で仕事をしてきましたが、
社長就任と同時に初めて東京へ出てきて、新たなスタートを切ることになったんです。

営業に大切な事

当社の事業は、主に中学校の図書教材を制作し、
全国の販売店(特約店)を通して販売しています。
営業の仕事は、その販売店の管理(販売促進・学校宣伝・集金等)です。

私は、その営業の仕事を38年間、九州・中国のエリアでやって来ました。
今思うに、全国の販売店や学校の先生も皆様同じ人間で、
販売する商品に営業の熱意と情熱があれば、販売成績は伸びてくると信じています。

営業とはお客様の心を動かす事、
買いたいとお客様の心が動いた時こそが、営業の力だと思います。
それは、商品に対する営業の熱意と情熱がなければ、お客様の心は動かない。
営業をする上で、一番大切な事だと思います。

道徳の事業と新企画

当社の商品の中でも、道徳の副読本は全国の中学校で多く採用されています。
学校に営業に行くと良くわかるのですが、
道徳は専門の先生がおらず、学級担任の先生が教えています。

道徳の授業がうまくいかず困っている先生が沢山います。
そこで私は道徳の授業のポイントなどの知識を勉強し、
先生方に役立つ情報を宣伝に入れ込んで、実績を伸ばしました。
道徳の営業に回って教材を説明するとよく先生方から言われたのが、
「道徳は家庭の教育が一番だから」との言葉です。
生まれてきた幼児の心はもともと真っ白な状態で、
生きていくうちに色を重ねていくことになる。
だから、その第一歩の家庭での、親の教育が一番だということです。

そこで、本当に色が付いていない幼児の段階から
道徳(徳育)の教育を行って欲しいとの思いから、
当社の新しい企画として、親と子の心の絵本を制作中です。 
理想としては、幼児とその親に同じように
道徳について考えるきっかけになって欲しいと思っています。

教育におけるデジタルとアナログの融合

生徒達はこれまではずっと教科書とワークブックやテスト等の紙という媒体で勉強をしてきましたが、
近年進むICT化の波は教育現場にも必ず押し寄せてくると思っています。
実際、文科省が発表している次なる教育指針では、
生徒にはタブレット端末を配布すると報道されています。
ガリ板時代から始まり、
ずーっと紙というアナログで仕事をしてきている我々の業界にとっては大きな革命でしょう。
確かにデジタル化することで、紙よりも便利で安価で、そしてスピードも早くなるでしょう。
しかし、印刷、製本、発送という行程がすべてなくなるという点についても
無視することはできないのです。

デジタル化の波は止めることはできませんが、
紙の文化や紙ならではの長所も忘れてはいけないと思います。
特に道徳という教科は紙で読むのか、
タブレットの画面を見るのかで意味合いが変わってきてしまうと思っています。

当社としてもデジタル化によって得られる便利なところは積極的に取り入れて改善していくつもりですが、
アナログな部分も融合させて残せるところは残すというスタンスで
このデジタル化の波を捉えていきたいと考えています。

苦労を苦労と思うのではなく、喜びに変えてほしい

幼児が真っ白な状態と言いましたが、新卒で入ってくる学生もビジネスマンとしては真っ白な状態。
人間は誰しも何年か同じところにいると、
少なからず色に染まってしまい、甘えや気が緩んだりするものです。
また、良い色に染まろうと意識していないと、色んな色に染まりやすくなってしまいます。
そうなると混じり合って結局、黒色になってしまったりしますから、
どうせなら良い色に染まろうと意識しておくことは大事ですよね。

あとは、若い人の頭はやっぱり柔らかい。
発想力や創造力は感心するところがあります。
その力を維持するには、環境を意識的に変えない限り、
長く勤めていればどうしても井の中の蛙になってしまう。
そうすると若い人に見えることでも見えなくなってしまっていることもあるものなんです。

そして何より私が伝えたいことは、苦労を苦労と思わないようにすること。
営業は大変だという理由からか、
若い人達の中でも志望する人が少なくなってきているようです。
確かに営業に出向いても冷たくあしらわれたり、大変な思いをすることの方が多い。
でも、だからこそたまに受け入れてもらえたりするととても嬉しいものなんです。
あとは、どうやってその喜びを手に入れるために苦労を重ねるか。
そう考えられる瞬間に苦労が苦労でなくなっているはずです。
その姿勢はどんな世界でも生かせる素晴らしい自己開発になります。
是非、頑張って下さい!

LINEで送る
Pocket