株式会社松孝 代表取締役社長 吉村 誠晃


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代表取締役 吉村 誠晃

代表取締役 吉村 誠晃

設立 1951年6月
事業内容
    • 輸入フルーツ専門の仲卸業
会社HP http://www.matsukoufruits.com/

新聞記者から一変、家業の「バナナ屋」に

もともとは祖父が始めた家業でしたが、
就職活動のタイミングで相談した父親に、
「自分のやりたい事をやればいい」と言われ、
大学卒業後は共同通信社で4年ほど新聞記者の仕事をしていました。

しかし途中で体調を崩したこともあって、家業に戻る事に。
特に経営者になりたいという願望はありませんでした。

友人らが大会社で働くような時代でしたから、
早朝から市場で農産物を扱っているのは格好悪いという先入観もあって、
しばらくは吹っ切れませんでした。

ところが会社はそんな甘えたままで通用するほど猶予はなく、
息子が継ぐと意思表示していなかったために業績は悪化していました。
坂道を転がり落ちる歯車を食い止め、持ち上げていくのは大変でしたが、
自分を育ててくれた会社や社員、家族、取引先などを
これから自分が背負って立つんだという覚悟が芽生え、
体にムチを打って必死に働きました。

何をやるべきか迷っているなか、光明が差しました。
先代から受け継がれた
バナナやアボガドなどを、”食べごろ”に追熟させるノウハウ、
美味しさを引き出す技術がある事に気付いたのです。

フルーツで幸せな社会を

バナナは青くてカチカチな状態で輸入されてきます。
私たちがこだわり抜いているのは、
バナナ本来が持つ最高の美味しさを引き出すシゴトに徹することです。
昔は当社のように『バナナ屋』として”味”にこだわる業者がたくさんありましたが、
バナナが庶民の食べ物になっていくにつれ、
技術の伝承や施設の老朽化から諦めていきました。
いま世の中に流通している大半のバナナは、
効率化が図られ、十分に旨味を引き出さぬまま、
短時間で外皮だけを黄色く色付けしたものばかりです。
普通に食べている皆さんは「バナナってこんなもんか」ってお思いかも知れませんが、
当社のバナナを食べ比べてもらえれば味の差は歴然と分かってもらえるはずです。
近年の方式では人手をかけずに輸入されてきたパレットに
ぎゅうぎゅう積みのまま”色付け”します。
しかし、当社では通気がしやすいよう人手をかけて積み直し、
バナナの美味しさを内側から引き出すため、日数も余計にかけてじんわりと”熟成”させます。
時間もコストも掛かりますが、
バナナの美味しさを追求するのであれば、絶対に必要な工程なんです。
「フルーツって当たり外れがあるから」とガッカリしたり、
ジュースやゼリー、お菓子に流れてしまわないように、
真に美味しいフルーツで健康で幸せな社会をつくるのが夢ですから。
「細部に神が宿る」と信じ、
現場のシゴトのひとつひとつに徹底的にこだわり抜かないとダメですよね。
食べた味の記憶は褪せる事なく、生涯に渡って残るものだと思います。
だからこそ、絶対に妥協しません。

目利きの使命

魚で言えば築地市場、
私たちのいる「大田市場」は、品質の高い農産物・多くの情報やお客様も集う、
日本随一の規模を誇る青果物の市場です。

当社は最高のステージで、輸入フルーツ専門の問屋として、
「フルーツの美味しさを極める“もうひとつの産地”」としての役割を担っています。

バナナやアボガド、マンゴをはじめ、
ミラクルフルーツやドリアン、チェリモヤなど世界中の新鮮な果物、
ドライフルーツやナッツなどを取り扱っています。

フルーツにはイチゴやモモ、
ブドウなどのように産地で収穫してすぐに食べるのが美味しいものと、
追熟を必要とするものに分かれます。
私たちはプロとして、季節や園地、ベストのコンディションの目利きと追熟技術を活かし、
厳選した商品を提供するのが使命です。

「松孝のフルーツは本当においしい!」
「うちの子はバナナが嫌いだったのに、好きになっちゃった」
などと言っていただけるのが、何よりも嬉しい声ですね。

今後のビジョン

やはり今後も既存のお客様を大切にしたいです。
祖父の代からずっとの八百屋さん、
業績が悪いときも信じてくれたスーパー、
東日本大震災でも共に前を見てきた取引先と、
これからも誠実に向き合っていきたいです。
決して派手な仕事ではありませんし、大儲けするような商売ではありませんが、
ひとつひとつのフルーツに魂を込めてお届けしたいと考えています。

「松孝ナシではやっていけない!」と、
お客様から愛され必要とされ続けるような、質の高い仕事をしていきたいですね。

今後は、築地市場の豊洲への移転や、2020年には東京オリンピックが開催されるので、
その辺りにはアンテナの感度を高めておきます。

普段は流通の川中に居るのですが、
川上で生産に携わるのは異常気象などのリスクを考えると大変なので、
川下でフルーツ好きな人たちとの接点を持つのも楽しいかな、と考えています。

現在は素材そのものを扱っていますが、
将来はカットフルーツやフレッシュジュースのようにして、
ルーツの魅力を引き出した展開も視野に入れています。

挨拶が素敵な人、自分の事が好きな人

求める人物像ですとか、こういう人でなければというこだわりはありません。
多種多様であっていいと思います。

ただ、絶対に譲れないのは「挨拶がしっかりしている人」。
挨拶がちゃんとしていれば、人間関係で合格点は採れると思うんです。
若くてもベテランであっても、これは基本ですね。

それから、自分自身を好きな人がいいです。
やはり自分を卑下したり卑屈な人だと、目標に向かう時のエネルギーに欠けます。
その反面、自分の事が好きな人は自己実現の意識が高いので、
目標達成に向かうエネルギーが強いんだと思うのです。
ですので、前向きな意識を持っている人と仕事がしたいですね。

仮に自分の事が好きではないにしても、
将来自分はこうなりたいとか、
棺桶に足を突っ込んだ時に、自分はよく頑張ったと言い切れるような、
そのくらいの意気込みを持っている人がいいと思います。

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