代表取締役 服部 慶

代表取締役 服部 慶

設立 2007年1月22日
事業内容
    • WEBシステム開発
    • マンション管理支援事業
    • 教育事業
    • 人材派遣業
会社HP http://www.digout.co.jp

自分のキャリアが見えている企業には入りたくなかった

経営者になることは大学生の頃から決めていました。
きっかけのひとつには大学4年生のときに読んだ本田宗一郎の本ですね。
起業家として屈託なく楽しく生きるその姿に感化されました。
何かプロジェクトを立ち上げて自分でマネージメントして、
社会に貢献したいとその頃から思っていました。

学生時代、母校の高校野球部の監督をやっていたんです。
決して強くはない小さなチームではあったのですが、
一つの目標に向かって動かしてゆくマネージメントの楽しさを知りました。
大きい小さいとか、強い弱いはあまり問題ではないとそこで感じたことが、
就職に関しても大企業にこだわらず、
最終的には自分の箱でやってゆこうという考えに繋がりました。

とはいっても学生の視点からはまだどのような分野でやってゆくのか決められなかったですし、
マネージメントについてしっかり学んでもおきたかったので、大学院に進みました。
ビジネススクールにも通いながら、学生というフリーな立場で
色々な企業を見て回り事業のネタを探しながらマーケティングを行いました。

就職するにあたって、良くも悪くも先のキャリアが見えている企業には
入りたくなかったですね。自分の可能性がそのエリアに限定されてしまうのが嫌でした。
そういった意味で、就職した「アクセンチュア」という会社は
当時IT起業ブームもあってか、多くの人が数年で辞めて起業する人が多い、
ある意味先が見えないところでした。
そういった環境に身を置きたかったんですね。

新しい価値と可能性を掘り起こす

そして27の頃に結婚してマンションを購入したことから、
起業につながるあるきっかけと出会いました。

マンションや不動産について知識がなかったので、勉強しようと思い、
マンションの管理組合の理事長になったんです。
タワーマンションなどの大規模マンションは、
管理費や積立金で膨大な資金を持っていて、
それをマネージメントしているのが管理組合です。
そしてその長である理事長は1、2年で変わるという不思議な組織なんです。

管理会社を通して色々業者さんに発注等するわけです。
でも素人の管理組合と管理会社の間には情報格差がありますよね。
総会で管理会社がきちんとやっているのか調査してくれという要望があり、
マンション管理士やコンサル会社を呼んで調査したところ、
結果的に管理費を15%程下げることができたわけです。

この落差は問題があるなと思ったんですね。
ビジネスフィールドにもなるなと。

そんな中、マンション内に理事会の活動を広く情報公開することや
コミュニティを形成するのにあたり良いツールがないかと探したけれど
なかなか良いものがありませんでした。
そこで「コラボ」というそのマンション住民専用のサイトを作ったんです。
それがうまくゆき、マスコミに取り上げられたのをきっかけに、
会社を辞めて起業することとなりました。

マンションへのサービスを展開

マンションというのは一つの村のようなものですから、情報公開が必要です。
理事会で議論されている内容、抱えている問題、工事等の情報を公開しなければなりません。
また何より情報共有することにより、住民らの協力を集めることも大事です。
管理会社はそういったことまではやりませんからね。
そこで「コラボ」のような住民だけが見られる
住民専用サイトのサービスを提供しているわけです。

学生の頃、政治学を学んでいて、政治は社会的弱者の人達も含めて
全ての人を救うためにあるということを学びました。
ルールやしくみを作るのが政治であって、
それを実際にまわしてゆくのは民間になってきますよね。
その政治や自治体が手を付けない部分、
民間の大手も手がつけないような部分を手がけたら
チャンスがあるのではないかと思っていました。
そういった大手や公共が手がけにくいところに
新しい価値や可能性があってそれを掘り起こしたいと。

マンションにおいてデベロッパーも管理会社も自治体もやってはくれないことで、
でも住民に求められていること、より住民が暮らしやすくなるための潜在的な需要、
それに合ったサービスを提供しています。

今マンションに求められている、コミュニティの形成

東日本大震災以来、求められることはやはりコミュニティの形成ですね。
「ユウト」というプログラムを作り、
マンションのコミュニティ形成支援サービスをしています。

マンション内で子供会や夏祭りや餅つき大会など
色々な企画をやられているところもありますが、
皆さんお忙しい世代の方が多いので
それらを代わりに企画運営するということを今やっています。
またマンションのパーティールームやキッズルームなど
立派な共有スペースがあっても、活かしきれていないということがありますよね。
私達はそのスペースを使って様々なプログラムを提供し利用活性化させています。
ヨガ教室などのカルチャー教室や親子料理教室などですね。
あと今推進しているのは子供英会話教室です。
東進ハイスクールと協力しマンション内で子供英会話教室を開催しています。

母親同士、子供同士といった同じ層の交流や、
同じ分野に興味がある人達との交流が継続的に続くので、
コミュニティを作りやすいんです。

今後はこういったサービスを全国のマンションに向けて展開してゆきます。

求める人物像は・・

やはり問題意識を強く持てる人ですね。
物事に関して別の視点を持って、なぜそうなるのか、本当にそれでいいのか、
考えることができてそこにある問題を見つけることができる人。
これは教えたくても教えられることではないので、自発的に感じて欲しい。
その問題意識を組織の中で共有できたらいいなと思います。

おそらく学生さんでこの分野に最初から興味があるという人は
少ないのではないかと思います。
マンションの管理に関して詳しい人が、
マンション管理士さんにも管理会社にもできないことに、
興味を持って問題意識を持ってやりたいと来て頂けると嬉しいですね。

マンションのコミュニティ形成というのは、
分かりやすい明確な目標というものがない分野です。
単純に売り上げばかり追求しては、
提供できるサービスの質が低下してしまいます。
規模と質のそのバランスが難しいですが、
この事業に対し問題意識を持って共感できる人材で組織を作って行きたいと思っています。