代表取締役社長 藤田 一郎

代表取締役社長 藤田 一郎

設立 2000年3月8日
事業内容
    • 各種コンテンツ制作
    • ネットゲーム運営
    • マッチングサイト運営
会社HP http://www.crowdgate.co.jp/

アメリカ留学がターニングポイント

学生時代は、自分が会社を経営するイメージを持ったことはありませんでした。
ただ、その後の人生を変えるきっかけとして、
高校3年生のときに行ったアメリカ・コロラド州への留学があります。
それまで、わたしは「個」に対する意識が低かったように思いますが、
アメリカの人々は「自分」という存在をとても大切にしており、
自分の家族や学校や生活など、色々なことに誇りを持っていました。
自分の職業に対しても、それぞれが誇りをもって働いている様子を目の当たりにしたのです。
そうした刺激を受けて帰国すると、日本社会に対してどこか物足りなさを感じてしまいました。

その後、大学は経済学部へ進みました。
当時はバブルの影響もあり、就職活動はとても恵まれた条件で行うことができました。
選択肢は色々あったのですが、たまたま私の所属する研究室が、
経済学部でありながら地理学を専門としていて、町がどのようにできあがっていくのか、
その中で人の経済行動がどう変わっていくのかを学んでいました。
経済活動は、元をたどれば人々の欲求に行きつく。
このことに興味を持ち、証券会社に入社することに決めました。

証券会社で学んだこと

まず教えられたのは、入社したからには社員であることに誇りをもって働くということです。
企業の看板を背負い、怒られたりほめられたりしながら仕事をしていくことに対し、とても面白さを感じました。
入社当初は、証券の営業マンとして3年ほど働き、
その後、株式の新規公開に関わるポジションを任せてもらえることになりました。
業務では、企業の社長とお話をさせて頂くことが多く、
会社の経営状態だけではなく、社長の考え方や思い、場合によってはどんな社員がいるのか、
社長の家族構成は、といった深いところまで質問する必要がありました。
そうしてあらゆる要素を考慮したうえで、新規公開すべきか否かという提案をさせて頂くのです。
今考えると、この経験が社長となった今に活きていると思います。

様々な考えが集まっているから「会社」と呼べる

その後、大手カラオケチェーンを手がける会社へ転職しました。
転職後で一番難しいと感じたのは、証券会社時代、提案をしたことを実行するのは
クライアントでしたが、今度は実際に自分が人を動かして、
提案したことを実行するということです。
会社には色々な人がいますから、ただ指示を出しただけで人は動かせません。
経営層の考えが、100%現場に伝わらないこともあります。
それでこそ会社組織と呼べるものなのですが、当時は悩むことも多かったですね。

社員の気持ちが同じ方向に向いている会社は、やはり強いです。
社内で色々な考えがありつつも、目指すべきゴールは社員間で共有され、
そこに向かって団結できることが重要なのです。

前の職場はちょうど代替わりの時期で、
どうしたら創業者から2代目へうまく引き継ぐことができるのか、試行錯誤していました。
そのような組織だったからこそ、「制度」や「理念」といった、目に見えないけれども、
会社が永続する上で欠かせないものの大切さに気付くことができました。

「創る」を支援するために

当社の経営理念は、「“創る”を支援する」です。シンプルではありますが、
「支援」と一言に言っても、仕事をしてもらう、技術を身につけてもらうなど、
いろいろなかたちがあるからこそ、あえてこうしました。

これまで、クリエイターに仕事を頼みたいと考えている企業が、
求めるスキルを持ったクリエイターを探し出すことは、非常に手間のかかる作業でした。
企業側のニーズと、クリエイターのこだわりをうまくマッチングさせる仲立ちがいれば、
多様化する市場全体のニーズも把握でき、クリエイターの社会的地位の向上にも貢献できるのです。
当社の目指しているのが、まさにこのポジション。
今後は、当社独自にクリエイターに対する検定試験も実施していき、
自分たちのスキルを客観的に評価するためのツールにしていく方針です。

現在、当社運営サイトには6600人程度のクリエイターが登録していますが、
今後はさらに登録数を増やしていき、クライアント企業とクリエイターの窓口役として、
両者に欠かせない存在であり続けることが目標です。

趣味とプロの境界線

日本のフリーランサーたちは、海外と比較すると、社会的な地位がとても低いです。
そのため、当社サイトに登録してくれているクリエイターたちに対しても、
自分たちの仕事に誇りを持てているかがすごく気になっています。

「“創る”を支援する」と掲げる会社だからこそ、
クリエイターの社会的地位向上のための働きかけが重要だと考えています。
検定試験や教育制度も、最善のあり方を考えて常にブラッシュアップしていく必要があるでしょう。
ですので社員に対しての評価基準も、サービスを提供される人のことを基準に、
物事を考えられるかどうかを重視しています。

自分たちのためではなく、「クライアント企業のため」、「クリエイターのため」を基準に考え、
その成功を自分たちの喜びとして感じることができる人財を求めています。

成功者は、ぶれない軸を持っている

今の日本は、信念を持って動ける人が少なくなっているように思います。
国自体がどうあるべきか、という討論が少なくなっている気がするのです。
だからこそ、今がチャンスだと思います。

現代は選択肢が増え、気軽に色々なことに接することができるようになったからか、
ひとつのことに徹することの価値が下がりがちです。
失敗しても、ほかにもチャレンジできることはたくさんありますので、
ひとつのものに固執してやっていく気持ちが薄れてしまうのでしょう。
自分というものを確立するためには、少しうまくいかないからじゃあ次へ、ではなくて、
ひとつひとつをやりきるという姿勢が大切だと思います。
今まで成功してきた会社をみても、多角化をしつつ、
ひとつひとつの事業がそれぞれ関連性を持っています。
自分たちの大切にしている軸からぶれていないのです。

また、情報に関しても、手に入れた情報を自分のものにしようと努力しないせいか、
巷にあふれる情報を鵜呑みにして理解したつもりになっている、
中身が薄い人間が増えてしまったように感じます。
情報を手に入れる機会が増えたことはいいことですが、情報を「捨てる」努力もする必要があるでしょう。