代表取締役 佐野 健一

代表取締役 佐野 健一

設立 平成13年12月4日(創業平成7年6月1日)
事業内容
    • 固定通信・ブロードバンド通信サービスの加入取次
    • 移動体通信機器の販売・レンタル事業
    • オフィスオートメーション機器の販売・保守・レンタル事業
    • インターネットサービス事業/ホームページの制作/保守・運営管理
    • 広告代理店業
会社HP http://www.vision-net.co.jp/

「起業家としての自分」~イメージから実現を目指して

とにかく起業する気持ち

学生の頃から起業志向だったのは、自分たちで商売をしていた両親の影響です。
父は工務店を経営し、母は飲食店を経営していましたから
そんな姿を見ていて、将来は私も自分で何かやりたいと思っていました。

19歳で大手通信会社に入社し、営業職についたのも、
営業力を身につけようと決めたのも、将来の起業を見据えてのことです。
とにかく自分で食べていける能力が必要で、
そのためには、やはり営業を極めようと決めました。

まずはプレーヤーとして成功して、次にマネージャーというステージに進んでいく。
起業家になるには、そのようなステップが大事だと考えたのです。

その会社で働き始めた当初から、起業というゴールを4年後と設定していました。
とはいえ、特に逆算などをしていたわけではありません。
「そのくらいは必要かな」くらいの漠然としたもので、とにかく起業するんだという気持ちが
先行していた時期だったと思います。

富士山が起業の後押しをしてくれた!?


決断!

働いていた大手通信会社は、会社自体はとても良かったのですが、
私は次第に自分の考えとのギャップを感じるようになりました。
隣のメンバーも周りのメンバーも全員が敵、つぶしながら上へ上へと昇っていきなさい、
社内はそんな縦割りの組織。それが会社の成長エンジンでした。
しかし私は、もっと組織としてやっていきたい、「個」の力だけではなく集団でやりたいと考え、
それもビジョンを立ち上げる理由のひとつとなりました。

その通信会社を辞めてビジョン設立に至る経緯は、かなり唐突でした。
当時事業部長の職にあり約800名の部下がいましたが、
担当の支社への出張で新幹線に乗っていたある日、
通過待ちの新富士駅で見えたのが、くっきりときれいな富士山。
その瞬間、「すげぇ、やっぱり富士山!ここでやる!」と思ったのです。
それで衝動的に新幹線を降りて、駅前の不動産屋に飛び込み、物件を仮契約。
東京に戻って数日間で、会長や役員に会って退職の話を進めました。

実は、部下であるエリアマネージャーたちには、早めに話しておいたのです。
そして決して引き抜きせず彼らに事業をそのまま伸ばすことを託していました。
富士山を見て、というのも、そのような決意や準備が既にあったからこその行動だったのです。

真面目、地道・・・トップセールスマンの秘訣は意外にシンプル


お客様第一主義

4年半を過ごした大手通信会社では、トップセールスマンとなり、
最終的には全国24支店の統括も務めました。
営業マンだった頃、私が最も大事にしていたのは、「真面目にやること」。
お客様のことを考えながら営業する、これに尽きます。
自己都合ではなく、お客様のため、チームのため・・・と考える。
それにより部下も周囲の人間も信頼してくれますし、その人たち自身も頑張ろうという
新たな原動力を生み出すのです。
そしてそれが良いスパイラルへとつながっていきます。

また、良い商品やサービスを売っているのだという思いが、しっかりと自分の中にあり、
それがお客様に伝わったのも、トップになれた理由のひとつでしょう。
単なる「商品」として売っていたのではなく、本当の価値として提供できていたのだと思います。
やはり言っていることと、やっていることが違ってくると、会社の人間だけではなく、
お客様にも信頼してもらえません。
真面目にやり続けられなければ、トップセールスマンになっても価値はない、
そのように考えて、私はずっと営業をしていました。

常に気持ちをリセットしながら、お客様に向き合う


ゼロフラットからの獲得

気持ちの切り替えも、トップセールスマンには大切な要素です。
1日に何十件もの飛び込み営業をこなしていた営業マン時代、
「1件出た瞬間に、すべてゼロフラットに気持ちを切り替えろ」と、いつも上司に言われていました。
1日単位ではありません、1件単位です。
この言葉が私の中では利いていて、気持ちが切り替えられない時には
ビルの屋上に行って一服したり、トイレで顔を洗って笑顔の練習をしてから、
隣のビルに飛び込み営業に出かけたりもしました。

気持ちの切り替えというのは、もちろん自分のためでもありますが、
実はお客様のためでもあります。
飛び込みで断られると、営業マンとしては、どうしても気分が落ち込んでしまうもの。
時には機嫌が悪いまま、気分が乗らないままで、次のお客様のところに行くこともあるでしょう。
しかしそれは、自分の気分のせいで、お客様の「やりたい気持ち」を失わせてしまいます。
自分の気分で営業すると、結果的にお客様の迷惑になる。
上司からこのことを教えられ、早い時期から気持ちの切り替えを実践していたのも、
トップセールスマンになれた要因だったと思っています。

主人公であれ!脇役ではダメ!


誰もが主人公となるべき

真面目にやることにしろ、気持ちを切り替えながら営業することにしろ、
特別な営業スキルというものではありません。
むしろ「意識」の部分です。
やはり、どのような意識で取り組むのかが、最も重要だと私は思っています。
良い商品、良いサービスを売っているし、会社も良い。でも数字が伸びないのはなぜか。
それは自分自身の気持ちや努力が足りないのです。
例えば、あと少しのところで未達と、少しでも達成出来た、というのは、
数字の差はそれほど大きくなくても、意識という点では大きな差があります。
ギリギリまで踏ん張って達成した価値は、必ず次につながります。

私も営業で回っていた頃は、月末に部下から「すいません、計画まで足りていません」と言われたら、
「おれもやる」と、飛び込みをして何件も受注して計画値を達成したことがあります。
達成させることで雰囲気が盛り上がりました。そして翌月から甘えることなく社員もアルバイトも、
自分たちが頑張らないといけないという意識を持つようになるのです。
そして、それまで足りなかったのは自分自身だったと気付き、結果が伴っていきました。
人にやってもらうのではなく、自分が主体的に動くのです。
営業をやっていくからには、脇役のままではいけません。
誰もが主人公になるべきなのです。

視野も考え方も行動も、もっと自分を広げてほしい


誰でも起業家になれる

若い人たちには、もっと視野を広げてほしい、世界に目を向けてほしいと思っています。
早いうちから海外の人と接する、海外旅行をするなど、
世界を見ることで、自分の可能性の幅も広がるはずです。
日本人は単一民族なので、知らず知らずのうちに差別をしてしまったり、
区別をしてしまいがちです。
若くて時間のあるうちに、仕事でも遊びでもいいので海外に出て、
さまざまな人たちと触れあい、グローバルな感覚を磨きましょう。

そしてその経験や感覚を、ぜひベンチャーで試してほしいという気持ちもあります。
やはり何事も、挑戦することに価値があると、私は思うからです。
大企業でも挑戦はできるかもしれませんが、ベンチャーの場合には、
意思決定やバックグラウンドがない中でやらざるを得ないという違いがあります。
それがベンチャーの強みでもあり弱みでもありますが、
少なくともベンチャーで鍛えられたら、自分ひとりで何かをやろうという時に
困難にも立ち向かっていけます。

ただし、私が言っているこのことも、あくまでも選択肢のひとつ。
初めから自分を固定することなく、幅広い視野で物事を考えながら、
仕事に、人生を突き進んでいってください。