代表取締役 北村 俊二


代表取締役 北村 俊二

設立 2006年1月23日
事業内容
  • PRサービス
  • マーケティングサービス
会社HP http://www.aur.co.jp

起業の背景

父親が会社を経営しており、工場と家が併設された環境で育ちました。
工場が遊び場と化し、遊んでいる傍ら働く父の姿をごく自然に見てきましたので、
働く事に抵抗を感じる事は無かったです。

大学在学中には先輩からの誘いもあり、
音楽のイベント事業やCDのプロデュースなどを手がけるようになりました。
学生時代から仕事は、お金も稼げる、社会勉強にもなる、人脈形成の場にもなると思い、面白く感じていました。
事業の規模が大きくなるにつれて扱う金額も増していきました。
そんな折、取引先の企業様から「個人事業ではなく会社化してくれませんか?」と
お願いされたのを機に起業するに至りました。

社長になる人には2つのタイプがあります。
1つは、仕事が出来る出来ないを問わず、強烈なリーダーシップがあって周りがついていくタイプの人です。
もう1つのタイプは、身につけた職を広めたいという人、言い換えれば職人タイプの人です。
私の場合は後者タイプで、社長になりたいという具体的な夢はありませんでしたが、
身につけた職を広めていきたい…という気持ちは持っていましたので、
好きな事をやっていったらいつかは社長になるのかな、というイメージは持っていましたね。

起業後の転機と挑戦

会社の設立によって最も大きく変わったのは信用力がついた点です。
今まで一個人だったのが社長という立場になった事で各企業の代表と対等に話が出来るようになり、
改めて一国一城の主となった重みを感じました。
肝心のビジネスは多角的に展開していきたい思いがあって、
イベント事業の他にモバイル情報サイトの起ち上げや、
メール会員を組織化して広告を流すという事業に順次投資をしていきました。
特にメール会員事業に関しては力を注いでいたのですが、
メールアドレスの@以前の部分(当時は電話番号そのまま)を自由に変更出来る法改正もあり、
数万人集めた会員数は瞬く間に減少していきました。
半年程経つと、収益が殆どゼロになってしまい、会社を休眠状態にせざるを得ませんでした。

ちょうどその頃、IT教育機関のデジタルハリウッド(株)の当時社長だった藤本さんに
「Webデザイナーを管理するディレクターやプロデューサーを養成するコースを起ち上げてもらえないか」と
声を掛けられました。
現在の大学、大学院の前身とも言えるこの講座の起ち上げは成功を納め、
まもなく人材コンサルや研修に携わる部署に引き抜かれました。
その経験をベースに「また起業をしたい」という思いが強くなっている自分がいました。

二度目の起業と戦略

そんな折、学生時代の友人と「一緒に会社をやろう」と意気投合し、
2003年にマーケティングコミュニケーションを行うビルコム(株)を起業しました。
当時IT業界は右肩一直線で、ほどなくして経営は軌道に乗っていきました。
広告、マーケティング業界はWebと連動した企画や広告の必要性が叫ばれ始めていましたが、
当時はまだWebの事をよく知るマーケッターがあまりいませんでした。
私の任務が一段落ついた事もあり、プロモーションと人材育成を合わせた新しい事を始めたいと思って
ビルコムを退任、現在の会社を起業しました。

企業にとって人材育成は投資後、中長期の時を経て結果が出るものですが、
特にリーマンショック以後はより短期的な結果を求められるようになりました。
人材育成事業が停滞し、
短期的な価値提供に必要性を感じ現在のPR、マーケティング事業に舵を取り直していく事にしたのです。
当時のネット広告といえば、バナーなどを用いてプロモーションをする事が主流。
しかし、ソーシャルメディアや掲示板の登場によって企業が広告外の部分に注目するようになりました。
「エディトリアルマネジメント(編集領域におけるトータルマネジメント)」の誕生です。
情報が氾濫し、取捨選択を要する現代において、広告は好んで読まれません。
いかに編集面に情報を組み込んで伝えられるかが大切です。
今後は編集面の多様化で複雑性を極めるかもしれませんが、
その分、企業様から求められる期待も大きいと感じています。

今後の展開

日本がTPP交渉への参加を検討している政治情勢もあり、
今まで以上に色んなモノや事が国境を越えやすくなっていくと思っています。
問題は海外から入ってきた認知形成されていないモノを国内でどうアピールしていくか。
そこで、私どもが橋渡し役となってプロモーションを行う出番です。
具体的には中国、北米ですが、そのマーケット規模は今後ますます大きくなっていくと想定しています。

これからの展望としては、あまり突飛な事を始めるつもりはありません。
あくまでも当社が今まで行ってきた、エディトリアルマネジメントを主軸に、
付随する周辺事業や周辺サービスを提供していく事を考えています。
例えば、ソーシャルメディアを活用してマーケティングをする際、
ユーザーを上手に管理できるASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)などを作って、
企業様を支援する予定です。
簡単に言えば、企業様とコミュニケーションを図っていく中で、
「こういうものがあったら良いのではないか」という事業やサービスを提唱し、
環境を整備する事で、お仕事のお手伝いが出来ればと思っています。

企業に必要とされる「人財」とは

企業で活躍出来る人には、コミュニケーション能力が必須だと考えています。
例えば当社では、クライアント企業様からいただいた情報をメディア様に取り上げていただきます。
情報のやり取りが2つあるためコミュニケーション力が倍求められます。
情報を1聞いて10伝える。
逆に複雑な内容を10聞いたとしても、如何に簡潔に1にして伝えられるかが大事なのです。
それには頭の回転や、話す、聞くと言った総合的なコミュニケーション能力が欠かせませんし、
その能力に長けた人が伸びていくと思っています。

コミュニケーションはこれまでの家庭環境や教育環境で培ってきたものです。
長年に亘って染みついた慣習は一朝一夕に修正出来るものではありません。
一方、ビジネススキルの多くは入社後の短期間でも習得は可能です。
だからこそ私は、採用活動をする際にコミュニケーション能力や学習力の核となる部分を重要視します。

コミュニケーション力をアップさせたい人は、コミュニケーションを細分化してみると良いでしょう。
声のトーンや頷き、ボディランゲージなど、出来ない事、苦手な事を1つひとつ明確にし、
対策を行っていけば、短期間での成果は望みにくいものの改善されると思います。

学生へのメッセージ

大事な点は2つあります。

1つは、変化を恐れないという点です。
私自身、経営者としても大事にしている事なのですが、変化を恐れない人は柔軟に対応する事が出来ますので、
仕事の上でも伸びていきやすいと考えています。
会社も1つの事に固執しすぎていると、競争の中で生き残る事は難しいと思いますし、
社会の変化やお客様のニーズに合わせて姿かたちを変えていく事が大事です。

2つ目は、どんな事にも理想を掲げるという点。
理想の趣味でも良いですし、理想の働き方、理想の収入額、理想とする家庭像など、対象は様々あります。
では、なぜ理想を考えると良いのでしょうか。
まず、理想を思い描くと現時点での自分とのギャップ(溝)が分かります。
ギャップの程度が分かれば、後はそのギャップを埋める為に何をしていけば良いのか問題点がはっきりしてきます。
問題点が明確になれば、改善もしやすくなるはずです。

理想を掲げ、その理想に近づけるように自身を変化させていく。
この2点を習慣化する事が出来れば、知らぬ間に理想の自分自身に近づけていけるものだと思います。