代表取締役 坂本 佳昭

代表取締役 坂本 佳昭

設立 2003年10月7日
事業内容
  • 診療所、病院などのフランチャイズ事業及び医療経営コンサルティング
  • デンタルエステサロン ホワイトエッセンスのフランチャイズ本部事業
会社HP http://e-aic.co.jp/

学生時代はバイト三昧、そして就職

学生時代は勉強するよりバイトばかりしてました。

土方のバイトをやっていた時に、「さけ茶漬け人生がいいぞ」と先輩に言われたんです。
月5万くらいのお金でのんびり暮らして、
通勤して行くサラリーマンに「がんばれよ」って言うような生活がしたかったですね。

起業なんて全然考えてなかったです。
就職活動も面倒でしたが、仕事をする事は好きだったので就職することに。
当時はバブルで証券会社も受けたりしましたが、医療機器の商社に入社することになりました。

最初は全くやる気がなかった、新卒時代

入社してから、女性の先輩から毎朝7時から業務知識の勉強会に出席するように指示されました。
一応毎朝出席していたのですが、ある時同期の社員達と一緒にサボりまして。
当然先輩に怒られると思ったのですが、先輩が泣き出してしまったんです。
それを見て純粋に「悪いことしたな」と思いました。

その後から同期仲間と一緒に仕事が終わったあと夜中の2時まで勉強内容の予習復習をしました。
10ヶ月以上続けて勉強したんです。
元々負けん気の強い性格だったので、
「先輩見返してやろう」みたいな気持ちもあってがむしゃらに勉強しました。

その結果、10ヶ月後には先輩と遜色ないくらいに業務知識がつきましたね。
お客様と話していても、自信を持てるようになりました。

翌年には当然、僕達も後輩に同じように朝の勉強会をしたんですね。
その時にはじめて、先輩の気持ちや苦労がわかりました。
僕らも睡眠時間削って勉強していたわけですけど
先輩も同じように後輩の為に仕事終わってからテキスト作ったりしてきつかったんだなと。
僕らがサボって泣いた時も想いが伝わらなくて悲しかったんだろうなって。

サフランチャイズへの可能性に魅了されてから起業まで

会社で新プロジェクトの企画会議があり、社内で色々な案が出されたのですが、
その中で歯科医療機関のフランチャイズ事業をやろうという企画が出ました。
僕はフランチャイズに興味があって、
それも医療機関のフランチャイズって面白そう、是非やりたいな、と思ったのですが
実現出来なかったんです。

結局、会社をやめてコンビニやIT企業に転職したり、
大学の講座を受けたりしてフランチャイズについて学びました。
そんな中、資金調達もなんとかなりそうだったので起業してみようと思いました。

事業内容は審美歯科のフランチャイズビジネスです。
医療のフランチャイズはとても珍しく、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、
ニーズはあるんじゃないかと思ったのがきっかけです。

いい医療技術はやはりお金がかかります。
新しい自由診療サービスを受けたいと思う人は沢山いるはずですが、
治療費が高くてなかなか受けられないとか、どこを選んで良いのか分からないというのがあると思います。
医院側からするとマーケティングや人材教育などしっかり出来ず経営がうまくいかないとか、
経営収支は順調だけど院長だけが忙しくて組織化できていなくて困っている。
そういった部分で自分達がフランチャイズ方式による経営支援をさせていただくことによって、
歯科医療をもっと消費者志向の店舗に変えていくことができる、
社会に風穴を開ける事ができるかもしれないと思いました。

現在進めているビジネス展開

国内の店舗数は80を越え、5月には台湾への出店も果たしましたが、
店舗拡大にはそれほど興味がありません。

基本的なスタンスとして当社は「加盟してください!」というようなお願いする営業しておりませんし、
それよりも一店舗一店舗をしっかりやっていきたいと思ってます。

売上重視の会社になっちゃうと自分のモチベーションが保てなくなるんですよ
だから僕は絶対に社員にも売上あげろと言わない会社にしようと思いました。

僕達が信じていることを忠実にやっていけば、数字はあとからついてきてくれる、
安直にそう考えてるわけではなくて、
「顧客満足=儲かる」を実現するビジネスモデルになるように工夫しました。

今後の展開について

具体的なビジョンについては戦略上、
経営機密の部分もありますから、ここではお伝えできませんが、
普段心がけていることはひとつ一つの業務を丁寧にきちんとやっていくことです。
当たり前のことですがとても大切なことだと思っています。
その結果、当社の理念や姿勢に共感してくれる加盟クリニックの輪が広がっていけば理想です。

そのために社員に望むことは、とにかく忍耐力。
忍耐力というと誤解されそうですが、ハードワークや理不尽に耐えて欲しいということではありません。
我慢して一つの会社を辞めない方が良いということでもありません。
僕が昔、上司に質問した際に「お前みたいなバカに話してもわかんないよ」って言われました。
そのときは「分かるように話すのが上司の努めだろ」と思いましたが、
私の年齢からいってまだ経験不足で理解出来ないだろうって思われたんでしょうね。
言葉だけじゃなくて、時間をかけないとわからないというか、身体で覚えるものもありますから。
それが言葉ではなくて心で分かるようになるには忍耐力が必要だと思います。
そういうことを乗り越えた時に本当の仕事の面白さが分かってくると思います。
また、当社はマーケット自体これまで無かったサービスをやっているわけですし、
成功する保証は普通の会社以上に少ないわけです。
その成功率を上げていくためには、目先の数字に一喜一憂するのではなくて。
大きな志を持って諦めず前進していくことが大切です。
そう言った意味が私にとっての忍耐力という表現になります。

学生へのメッセージ

最近の学生さんの就職活動って本当に大変ですよね。
僕がアドバイス出来ることは一つだけ。

例えば面接官がいい人だったからこの会社にしようとかいうのはどうかな?と思います。
面接だけではお互いのことは分かりえないと思いますから。
それよりもその会社のビジネスモデルが将来性がありそうとか、
面白そうとか、社会貢献性があるとかが大切だと思います。
その会社がどういう顧客に対して、どのようなサービスをどういう工夫のもとに提供し、
どのようにして収益をあげているかとの分析と理解が大切だと思います。
ビジネスモデルへの興味関心が高ければ
多少の苦労も苦痛にはならないでしょうし、結果も出せるでしょう。
学生さんにビジネスモデルに興味を持てと言っても難しいと思われるかもしれませんが、
普段の生活の中にも色んな場面で勉強するチャンスは沢山あります。

どこか店舗に顧客として行った時、
「このお店は従業員が少ないのにお客様を上手くさばけているな」とか、
「このお店の強みはココだな」、「僕だったらこんなサービスがあった方がいいのにな」など。
自分の生活の中や遊びの中からビジネスを考えてみる癖をつけておくといいと思います。