代表取締役 中村 啓二


代表取締役 中村 啓二

設立 2003年3月4日
事業内容
  • インターネット市場調査及びコンサルティング業務
  • SEO、リスティングを活用したSEM業務
  • ウェブコンテンツ及びモバイルコンテンツの企画・デザイン・制作・運営管理
  • 動画コンテンツの制作(映像編集、Flash、アニメーションなど)
会社HP https://www.elplanning.co.jp/

起業したきっかけ

遅咲きながら40歳の時に起業しましたが、10代や20代の時には
所謂ベンチャー企業型の独立思考は全くありませんでした。

学生時代には美術系の教育を受けていたこともあって、デザインが好きで、
20代になって働き始めた時もどちらかと言えば、発明や技術、特許等の方に興味がありました。

起業を意識し始めたのは、35歳の時でした。
IT系の企業にいたこともあって、独立も良いかな程度に考えていたのですが、
きっかけとなったのは、五人の子供が生まれたことでした。

また、15年サラリーマンをしてきて、もう卒業という感じもありました。
今から思い返すと、サラリーマンは法律的にも社会的にも過剰に保護され過ぎていると思いますね。
例えるなら、農業試験場で保護されている絶滅品種の様なもので、
温室の中でぬるま湯に浸かっている状態で、とても楽なものなんですね。
勿論、独立する、つまり温室の外はさむいものですが、そろそろぬるま湯から
出なくちゃいけないなと思った事も起業した理由の一つとしてありますね。

会社経営の3年の溝

一般に、会社経営は3年で諦める人の割合が90パーセントに及ぶと言われています。
つまり、10人の内9人は失敗をする訳です。
失敗する理由は様々あるかと思いますが、1割しか残らないという事です。

その要因に関して、一つ目は商売のセンスが一番重要でなのに未熟な人が多いという事です。
またもう一つ要因として多いのは、人がついてこないという事です。
創業時についてきてくれる仲間がいれば幸運なのですが、
その様な苦楽を共にした仲間であっても、大体3年もすれば離れていってしまうものです。
そうやって信頼も、仲間も、売り上げも失っていくことで経営が傾いていってしまうのですが、
経営がうまくいっていても自分自身がもうこれ以上耐えられないと
分岐点に立たされるのも3年という数字なんです。
思っていたより利益が上がらない状況になった時、
敗北感を感じて辞めていく人も数多くいます。

また、その様な割合を起業家が子供の内に死んでしまう事に準えて
「起業家の幼児死亡率」と言ったりもします。
3年、5年、10年と生き残っていくのは相当厳しいものです。
実際、私自身も最初の3年が厳しかった事をよく覚えていますね。

仕事上のランニングハイ

その様な厳しい生存率なのに家族6人を養っていかなければいけない条件もあったので、
当然起業するに至っては不安が全く無いとは言えませんでした。
しかし、旅とは不安を抱えながら出発するものですし、「ベンチャ-=冒険」ですよね。
冒険に対するワクワクした好奇心の様な思いの方が大きかったですね。

また、サラリーマン時代には在籍していた会社では売り上げもトップだったのですが、
生命エネルギーの20パーセントも使っていなかったと思います。
それが、起業時には30~40パーセントとなり、リーマンショック以降には
異常な環境の変化もあり、生命エネルギーの80パーセントを使う程になりました。

エネルギーの80パーセントを仕事に投ずるということは、いわばランニングハイの様なもので、
仕事が趣味や遊びと一緒になり、生きることと仕事が一体となりました。
仕事上のランニングハイとは、売り上げが上がるとか良い仕事をする等の外部からの
価値判断とも異なる、何とも言えない幸福感を味わうことが出来ます。

まるで自分がドラマの主人公になった様な気分になり、恋愛の絶頂期よりも楽しいですよ。
さらに、その境地に達すると、厳しいハードルが出てきた時にも乗り越える楽しみを
感じる事が出来る様になり、仕事が面白くてしょうがなくなりますよ。

良い経営者となるには

私は40歳で起業に至りましたが、本来であれば30歳までに
起業した方が良かったと思いますし、早ければ早い程良いと思います。
25~27歳までに事業の方向性を決めて、自己資金は300万円程用意出来れば、
十分起業出来ると思いますので、若い方にはどんどん起業してほしいと思います。
そこで失敗したとしても、十分やり直せると思いますし、全く問題は無いと思いますね。

起業するという事は夢中になって仕事をしているという事ですので、
国や世の中もそういう人を応援していく補助制度なり、風潮になれば良いなと思いますね。
事業内容にあまりに無理がある人は駄目ですが、見込みのある内容であれば、
どんな人でも3年頑張れば道は開けると思いますし、
仮に失敗したとしても貴重な経験を得る事が出来ると思います。

松下幸之助さんはよく「駅前のうどん屋に聞いてみなさい」と言っていました。
うどんという何処でも食べられる普遍的な物を売るのですが、
ただ味が良ければ商売が出来るという訳では無く、客足が無ければ不安になり、
いざ客が入れば回らない…日々この繰り返しですが、これが商売の基本になるという意味です。
経営者を育てるのもこれと同じで、実際に経営してみる事が一番の勉強になると思います。

学生へのメッセージ

就職活動に失敗したら人生終わりだと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、
もし仮に大手企業に入ったとしても、その企業がM&Aされたらどうしますか?
就職活動に成功した学生も、就職活動に失敗した学生も、「ベンチャーの道」を進むのです。
つまり、特定の企業に入った、入れなかったというのは大問題では無いという事です。
大事なのは、入った後に「何を学ぶか」です。
それには企業の大小を問わず、自分を育ててくれる環境に身を置く事と、
自ら成長しようとする気持ちを持ち続けることが大切ですね。

目標が無いという方も多いと聞きますが、そういう方には是非とも
25歳までに起業するという目標を持つ事をお奨めします。
まずは社名だけでも構いませんから、事業計画書を作ってみる事ですね。
次に何を、誰に売るか、また、どうしたら売れるかという事を考えてみて下さい。
そして、行動に移してみる事です。
いざやってみると色々な不安や悩みが出てくると思います。

面白いのは、その不安は人によって種類が異なる、その人固有の不安であるという事です。
つまり、起業とは、自分の内在的な問題と向き合う事なんです。
実に奥が深く、パーソナルなもの…それが起業するという事です。
是非、自分らしく起業してみる事をお奨めします。面白くなってくると思いますよ。