最高執行責任者(COO) 米川 勇輝


最高執行責任者(COO) 米川 勇輝

設立 2012年12月13日
事業内容
  • 仕事で遊ぶテーマパーク「BOAT」の企画・運営
    http://www.bo-at.com
  • 子供たちのアウトプットを重視する
    家庭教師 事業の展開
  • 新規開業者の会社、ブランド設立支援事業
  • デザインコンサルティング事業(VI/CI等)
会社HP http://www.bo-at.com/

日本の教育はアウトプットが不足している

大学は教育学部の出身です。もともと、人にものを教えたり、人を育成したりということに興味がありました。
大学の実習等で実際に子どもたちと触れ合う機会が多かったのですが、
現状の学校教育は自分で考え、行動するという要素が少ないように思いました。
指導者が教えるという「インプット」は多いのですが、
子どもたちが自分から動く、という「アウトプット」の機会が不足しているように感じたのです。

その後、大学3年生になったとき、一度は就職活動にもチャレンジしました。
昔から社会に対して大きな影響を与えたいという夢があり、マスコミや人材関係を第一志望としていましたが、
会社で働くというイメージがなかなかつかめませんでした。
当時のわたしは、仕事とは何をやるのかを、知識としては「理解」していたのかもしれませんが、
「実感」はできてはいなかったのです。

若者に、もっと気軽にビジネスに触れてほしい。


白熱し思わず立ち上がるBOATの勉強会

仕事とは何をやるのか、実際に経験しなければ理解できないと考えています。
大学時代も本当はインターンシップに参加したかったのですが、
ちょうど教育実習と重なり、その思いは叶いませんでした。
そのため、働くということについて想像を膨らませることができないまま、就職活動を始めざるを得なかったのです。

こういった状況下で社会人としてのスタートを切る会社を決めなければならないのは、非常に酷なことだ。
実体験をもって、そう感じたのです。
一部の学生は、早い段階からインターンシップに参加するなどの活動をしているのでしょうが、
大半の学生は、そうしたことに気付かぬまま、就職活動へと突入していくのです。

若者が、もっと気軽にビジネスに触れられる、もっと社会に属していると感じることができる機会が
あってもいいんじゃないかと思いました。
そうした思いが、当社の基幹ビジネスである「BOAT」を始めたきっかけです。

「BOAT」とは、学生や若手社会人の社会人基礎力やビジネススキルを育成するためにスタートした勉強会です。
「遊びながら学ぶ」をコンセプトに、自己啓発、スキルアップなどの様々な目的で、
参加者が協力し合いながら成長していけることを目指しています。

【仕事で遊ぶテーマパークBOAT:http://www.bo-at.com/

制限のなくなる時こそチャンス

実は就職活動の傍ら、教員採用試験の勉強をし、合格していました。
しかし、卒業が近づくにつれ、教師になりたいという思いは少しずつ薄れていきました。
就職活動中は「社会に広く影響を与えたい」という思いを持っていましたが、
仮に教師になってしまえば、割り当てられたクラスの子どもたちに、
自分の思いを理解してもらうのがやっとだろうと考えたのです。
教師という職業は偉大だとは思いますが、わたしはより多くの人々にインパクトを与えたかったのです。
それなら、社会の空気をガラッと変えてしまうようなビジネスを起こしたいと思いました。

ただ毎日を過ごす「働かされている人」ではなく、やりがいをもって自分らしく「働く人」を増やしたい。
自分の経験から、そう決心したのです。
思いが固まったあとは、大学を卒業したら、すぐ行動しようと決めました。
チャレンジするなら何年か先ではなく、今しかない。何の制限もなくなるときこそ、チャンスだと思いました。
そのとき、ありがたいことに、周囲の人々の中に「一緒にやろう」と言って下さる方がいたのです。
そうした関係者を集め、起業に至りました。

今は主軸としている「BOAT」のほか、
プロダクトデザインや、ロゴデザインといった新規開店の支援事業も手掛けています。
わたし自身には特別高い能力はありませんが、困ったときには、自分を支援してくれる大勢の人々がいます。
今の事業も、わたしの思いに賛同してくれる人々に支えられて成り立っています。

未熟さを気付かせることこそが本当の教育である


実践型ワークショップで真の成長を!

当社の差別化要因はふたつ挙げられます。
まずはコンセプトにも挙げていますが、「遊びながら仕事を学べる」というところです。
参加者たちが内に秘めているものを実現させるため、
「BOAT」に参加するハードルを下げ、楽しみながら成長できれば、やらされている感を払しょくでき、
自ら動くことができると考えています。
もうひとつは、先日リリースとなったのですが、
参加者内で少人数のグループを作り、ビジネスコンテストを行うというところです。
ただし、今までのように、企画を練り、それをベンチャー企業の社長などにプレゼンし、
評価が下されるというパターンでは、参加者にとってあまり意味がないと思っています。
自分たちで企画したものを、実際に実行し、売上や集客という面で評価をするスタイルで実施しようとしています。

誰かから指摘されるよりも、自分たちで足りない部分に気付くように仕向けていくことこそ、
本当の教育であると思います。
それを実現させるため、あえて困難に立ち向かわせ、自分が未熟であることを自覚させることで、
当社が運営する勉強会に足を運び、同志と積極的に意見交換するようにと仕向けていくのです。

小学校の授業で「課題解決型」というスタイルがありますが、まさにそれを意識しています。
大人でも、同じ手法が有効であると考えています。
「BOAT」は様々な社会に属する人が集まり、切磋琢磨しあえるような環境として整えていきたいと思います。

急成長よりもお客様満足度の向上を大切にしたい

今は会社の規模や売上よりも、
「BOAT」の参加人数や、参加者たちがその後社会でどう活躍しているかなどがとても気になります。
ビジネスですが、まるで先生が生徒を送り出すかのような心境で、ビジョンを描いています。
もちろん売上も大切ですが、当社が大切にしているのは、ベンチャー企業にありがちな右肩上がりの成長ではなく、
地盤を固めつつ、お客様の満足度を向上させることです。
そのため、単価を下げてでも、より多くの人々に「BOAT」に参加してもらい、
卒業者を増やしていくというところを重視しています。
こうした理念を大切に、思いを広めていきたいです。

何か実現したいものがあるのなら、一度「BOAT」に来てみてください。
違う社会に属する人々と接することになるので、非常に有意義な経験ができるはずです。
社会人の方々も、民間企業に所属する人のみならず、
公務員の方も、ビジネスを体験する非常にいい機会になると思います。
原宿のワークスペースにて開催していますので、あまり身構えることなく、リラックスした気持ちでお越しください。

学生へのメッセージ

昔は企業に属して働くことが当たり前でしたが、今は多様な働き方が存在しています。
自分にできることは、考えても見つかるものではありません。
だから、自分がやりたいと感じたものは試してみてください。
やりたいことと、企業が求めることがうまく重なりさえすれば、どんな会社にでも入社できるはずです。
色々と経験を重ね、自分ができることを作っておき、それを求める会社を探してみましょう。

就職活動だけを考えすぎないことも大切です。
わたしは、就職活動の前段階として、
大学に入学する前などに、一度どこかの企業で働く期間があってもいいと思っています。
理科が得意だから理学部に行くのではなく、将来こういう仕事がしたいからこの学部、という選び方ができるよう、
先に社会に出て、やりたいことや興味のあることを見つけ、それを大学で生かすというしくみになることが理想です。
大学3年生になって、いきなり就職活動を始めるのではなく、
心の準備ができたうえで始めることができれば、全然違うと思います。
ただ、就職活動は何も学生のうちに終えなくてもいいのです。
自分の積んだ経験に基づいて、ためしにどこかに入ってみるのもいいと思います。

就職活動はゴールではありません。内定をもらうことはスタートラインにすぎないのです。
入社するための対策ではなく、自分で考え、行動できる力を養っていきましょう。