代表取締役 熊野 泰憲


代表取締役 熊野 泰憲

設立 2005年7月29日
事業内容
  • インターネットを利用した情報提供サービス
  • インターネット、及び携帯端末機を利用した
    広告代店理業
会社HP http://www.rozie.net/

将来のイメージができなかった学生時代

高校が進学校だったので、当たり前のように受験勉強をしていたんですが、
いわゆる「いい大学」を目指してはいませんでした。
まわりの友人は勉学に励んでいましたし、両親からもそれなりの大学を勧められましたが、
当時の私には、将来のビジョンや夢がなかったので、何かのために進学する必要性を感じなかったんです。

一般的なサラリーマン家庭で育った影響もあってか、
自分の将来も「普通の会社員になるんだろうな」程度にしか考えてなかったんですよね。
その反面、あくまで漠然とですが「お金持ちになりたい」という気持ちはあったかもしれません。

結局、これといった結果の出ないまま一浪。
浪人中もなんとなく過ごし、数学が得意だった、という理由から一教科受験で入学しました。

大学生活が始まってからも、勉強はそっちのけでファッションにばかり夢中でした。
アルバイトをして、好きなブランドの洋服を買って、
スタイルこそ奇抜でしたが、どこにでもいる大学生だったと思います。

大金を稼いでも起業どころか仕事という意識すらなかった

そんな、ごく普通の学生生活を送っていたんですが、ちょっとした転機もありました。

ちょうどネットオークションが流行りだした時期だったこともあり、
自分がよく着ていたブランドの洋服が、中古にもかかわらず定価の倍以上で落札されているのを発見。
試しに自分も出品してみると、本当にいい値段で売れました。
簡単にお金を稼げる方法を知り、それ以降は新品の洋服を転売するようになったんですよね。
気がつけば、年間500万円ほどの収入を得ていたんです。

学生のお小遣いどころか、一般的な年収より稼いでいたわけですが、
それを仕事にしたり、起業するという発想はありませんでした。
当時は「大学を卒業したら就職しなければいけない」という常識的な考えしかなかったんですよね。

就職活動を始めると、思わぬ副収入を得ていたことで、給料の額を気にするようになっていました。
しかし、大卒の初任給では、ネットオークションで稼いでいた額より低いのは当然。
ですから、インセンティブがある会社に入り、もっと稼いでやろうという気持ちになっていたんです。

そして、医療機器メーカーで営業マンとして働くことが決まりました。

初めての仕事で社会の厳しさを知るも…

就職したはいいものの、営業ではまったく結果を出すことができませんでした。
今思えば、商品のことやお客さんのことなど、何も考えてなかったんです。
インセンティブ目当てで入ったのに、基本給しかもらうことができず、1年半で辞めました。

仕事を辞めてどうしようかと悩んでいたところ、久しぶりにネットオークションのことを思い出したんです。
最近は、どういうものが出品されているんだろうと思って検索していると、
なぜか「女性にモテるためのマニュアル」みたいな本が目についたんですよね(笑)
内容が気になるというより、こういうアイデアみたいなものを売ることもできるんだなと。

だったら、学生のときに実践していた「ネットで洋服を売るノウハウ」を売ろうと思ったんです。
自分の体験談などをまとめて商品化したんですけど、これがまた信じられないくらい売れたんですよ。
最初の1ヶ月で250万円くらい売れて、結局4ヶ月で1000万円ほど儲かりましたから。

でも、これだけ売れることがわかっても、やっぱり仕事にはしなかったんですよね。
むしろ、いつでも稼げると思って他の商品をつくろうとも思わなかった。

シンプルに起業へ結びついたインターネット広告の手応え

働いてもいないのにお金はある、というアンバランスな状態になったわけですが、
どうせなら何か役に立つことにお金を使おうと思ったんです。
それから、自己啓発のセミナーなどに通うようなり、自分で何かやりたいと思うようになったんですよね。

とあるセミナーで、プログラマーの人と知り合うきっかけがあったんですが、
その人からインターネット広告の作り方を教えてもらったんです。
すると、ブログやWEBサイトに広告を貼っているだけで、お金を稼ぐことができました。
このビジネスをもっと勉強しようと思い、専門的な講習も受けました。
そのときの講師の先生が本当にすごい人で、今でも師匠のような存在です。

インターネット広告のいい点は、ネットオークションのようにその都度出品しなくても、
一度作ったら何度でも再利用できるところです。数を増やせば増やした分だけ利益も上がります。
だったら人を増やしたほうがいいし、一人では限界がある。

次第にインターネット広告で継続的に稼げるようにもなり、自然と起業を考えるようになっていました。

若いうちは信頼できる上司のもとで働いたほうがいい

現在はインターネット広告事業のほか、検索エンジンマーケティングによる集客プロデュース。
商品・サービスなどの比較サイト運営なども手がけています。

会社を大きくしようという気はあまりなくて、現状維持でもいいくらい。
今後もITという軸はブレないまま、時代の半歩先を行くような感覚で行けたらいいですね。
私の役目は、正確な情報とたしかな人脈を集めて、会社をいい方向へ導くこと。

学生の人たちにも、正しいことを言ってくれる上司に出会ってほしいと思います。
一人や二人ではわからないですから、できるだけ多くの社長に会うのもよいでしょう。
運、縁、感などもありますが、きっといい出会いがあるはずです。

そして、信頼できる人の言うことをまずはやってみる。
自分で考えてとよく言いますが、はじめはわからなくて当たり前ですから。
何も考えていなかった私も、そうやって成長してきました。