代表取締役社長 熊切 雄三

代表取締役社長 熊切 雄三

設立 2011年4月1日
事業内容
  • インターネットメディア事業
  • イベントワークショップの企画運営
会社HP http://www.japan-style.co.jp/

確かな手応えとインスピレーションで在学中に起業

私は在学中に起業したのですが、初めから起業を意識していたわけではありません。
教職課程をとっていたので、教員になる道もありましたし、大学院への進学も考えていました。
就職活動も行っていましたから、複数の選択肢があったわけです。

そんなとき、進路を決めるきっかけになったのが、インターンシップでの経験でした。
インターンシップでは大手からベンチャーまで、様々な企業で働かせていただいたのですが、
その中のひとつ、IT関連の会社で社長に企画書を提出したときのこと。

「この企画、自分で会社を立ち上げて、事業にしたらいいんじゃないの?」

と言われ、思わずハッとしました。それまで起業するなんて考えたこともなかったので。
しかし、もともとプログラミングを学んでいたし、IT関連なら出来ないこともないと思ったのも確かです。

あとは「ピンときた」としか言いようがないのですが、
「就職して経験を積んでからじゃ遅い」
「起業するなら5年後、10年後じゃなく、今しかない」
と強く感じ、起業するに至りました。

海外出張で再認識した着物の魅力

起業してからは、仕事の関係もあってタイやベトナムなどに出張することが増えました。
そのときに、「目立つかな?」くらいの気持ちで着物を着ていったんです。
すると、ビジネスシーンでの名刺交換やパーティのときの反応がすごくよかったんですよね。
必ず相手の印象に残るみたいで、帰国してからもメールをしてくれたり。

仕事のうえでも成果はあったんですが、何より変わったのは自分自身でした。
「なんで日本人は着物を着なくなったんだろう?」と思い、着物に興味を持つようになったんです。
着物は日本古来の伝統であり文化。いろんな意味で原点に帰るきっかけでもありました。

ちょうどそんなことを考えている時に、ITコンサルの仕事で呉服業界から話があったんです。
いろいろと話をしていく中で、日本人の着物離れによる市場の縮小、職人さんの後継者問題などを知りました。

「このままだと、近い将来には着物がなくなってしまうんじゃないか?」
という危機を感じ、
「着物を使った新しいビジネスをつくろう」
と思って立ち上げたのが現在の会社「Japan Style」です。

着物をツールにした日本の文化を楽しめるコンテンツづくり

Japan Styleでは、着物を中心としたイベント・ワークショップを開催していますが、
もっとも伝えたいことは日本文化の素晴らしさ。
着物を通して、是非その魅力を知っていただきたいですね。

そのため、着付け教室では単に着物を着るだけではなく、着物の歴史もレクチャーしています。
もともと興味がある人はもちろん、興味がなかった人もスッキリした顔で帰っていきます。
おかげさまで高い満足度を得ており、SNSやブログでも当社のことが広まっているようです。

このように、着物ひとつ取ってみても、着方や選び方などわからないことが多い。
日本には着物のほかにも四季折々の行事があり、日本古来の文化や伝統がまだまだあります。
企業理念でもある「日本を語り、世界を語り、未来を語る」を実現するために、
今後も、日本文化の楽しみを再確認できるようなサービスを提供していきたいですね。

また、「伝統×ベンチャー」という新しいビジネスの形をつくるのも我々の使命だと思っています。

学生時代のインターンシップで多くの経験を

学生のときにインターンとして働くなら、できるだけ多くの経験をしたほうがいいと思います。
いざ社会に出ると、ひとつの仕事だけをするわけではないですから。
とくにベンチャー企業は自分で考えて行動する人じゃないと務まらないでしょうし、
仕事を任せてくれる会社じゃないと、やりがいもないんじゃないでしょうか。

当社でもインターン学生を受け入れているのですが、学生という見方はしていません。
面接の時点で企画書を書いてきてもらったりして、本気で当社と関わる気があるかどうかを確認しています。
来てくれた人には仕事もどんどん任せていますので、普通の学生ではできない経験を提供できている自負があります。

仕事の内容は適性を見ながらですが、場合によっては得意なことよりもあえて苦手なことを任せたりもします。
得意なことはある程度できて当たり前ですから。
縁あって、せっかく当社でのインターンを選んでくれたのですから、
チャレンジする姿勢や社会人としての責任感など、
少しでも多くのことを学んでもらえたらと思っています。

起業を考えている学生へ

私自身、大学在学中に起業していますが、正直なところ「厳しい道のり」を選んだと思っています。
「起業」や「社長」という言葉に対する憧れや華やかさは、一切ありませんでした。
そういうイメージを持っていると、必ず現実とのギャップが生まれてくると思います。

起業することだけを考えている人は、その時点で満足してしまうでしょう。
しかし、実際はその後にいろんな苦労があります。
お客様あってのビジネスなので、自分の都合だけでは動けませんし、
時間を守る、整理整頓などの基本的なことができているかも大事です。
こう言うと厳しいことばかりのようですが、想いや夢があれば必ず乗り越えられるはずです。

簡単ではありませんが、乗り越えられるかは自分次第。
ひとつの問題をクリアすれば、また次の問題が出てきます。それにどう答えるか。
組織作りを考えた際、常に問題と向き合う姿勢を社員に見せ続けるのも、社長の大切な仕事ですから。