代表取締役 山本大策

代表取締役 山本大策

設立 2012年5月17日
事業内容
  • ふだん会えない人と気軽にお茶する出会いを提供するサービス
    「CofeeMeeting(コーヒーミーティング)」の企画・設計・開発・運営等
会社HP http://le-le-le.jp/

人を巻き込む楽しさを味わった学生時代

高校卒業までは広島で育ちました。

高校時代の一番の思い出は、文化祭で実行委員長を務めたこと。
自分で企画を考え、多くの人を巻き込んでいくことにワクワクしたんです。
そんなきっかけから華やかなマスコミ業界に憧れ、「まずは東京に出てみよう!」と、法政大学社会学部に入学。
キャンパスに近い西八王子で一人暮らしをしていました。何にもないところですよ(笑)。

サークルには入らず、特別アクティブに活動していたわけではないのですが、授業には真面目に出ていました。
特に、社会学の幅広さには面白みを感じましたね。

「社会学」ってあまり馴染みのない言葉かもしれません。
たとえば、世の中で当たり前のように存在している「社会規範」や「宗教」など、
人間はさまざまな“ルール”に則って行動しており、ルールによって行動も変わるんです。

そのようなことを学ぶうちに、
いずれは「自分が決めたルールや企画で人を動かしてみたい」という思いが、いっそう強くなりました。

厳しい就職活動。文系からSEの道へ

僕が就職活動をしたのは2000年くらいですが、当時も就職氷河期と言われていました。
特にアピールできるようなことをしていなかったため、いざ就職活動が始まると苦戦しましたよ。
マスコミ業界はなかなか通らなかったのですが、
当時勢いのあったIT業界は採用人数が多く、面接も順調に進んだんです。

また、どこかで「手に職をつけたい」という気持ちも生まれていて、システムエンジニアになるのも良いかなと。
ちょうどプログラムを一から学ばせてもらえる会社に縁があり、見事入社が決まりました。

ただ、入ってから気付いたのですが、日本で「SE」と呼ばれている人は実際にはあまりプログラムを書いていないんです。
Webシステムを使う人からヒアリングして仕様を決めて、
実際の作業は制作専門の会社に任せるといった調整役がSEと言われることが多いんです。

思い描いていたものと違うなという思いで上司に相談したところ、
会社内で唯一プログラミングができる部署に異動することができました。

それからは仕事を通してスキルを身につけ、入社3、4年後には自分でシステムを作れるようになりました。

会社で働きつつ、独自のサービス開発に打ち込む日々

今でこそWebサービスの種類も増え、就職先として一般的になったWeb業界ですが、当時は企業のシステムを作るのが一般的。
しかし次第にmixiやGREEといったSNSが出始め、僕は一般ユーザー向けのシステムに関わるほうが楽しそうだと感じていました。
「たくさんの人を巻き込む」という、かつての自分の夢にも近いように思えて。

さらに、ちょうど「Web2.0」というキーワードが叫ばれるようになり、
一般の人も普通にブログを作ったりして、そのようなサービスの開発を行う会社が大きく伸び出したんです。

2006年、フィードパス株式会社というベンチャー企業に転職。
ここは当時話題になった「Web2.0」の本を書いた人が設立した会社で、とにかく面白そうと思ったんですよね。
僕は企業内で使うブログシステムの開発に携わりました。

前職とは社風も全く違いましたし、一人で何でも決められる体制があって楽しかったです。
会社員として働きながらも個人的にレンタルサーバーを借り、サービスを作って公開するといったこともしていました。
まだ起業の意識はありませんでしたが、将来的には自分の作ったサービスを世に広めたいと思うようになりましたね。

「CoffeeMeeting」が誕生するまで

その後、リクルート主催の開発コンテストで入賞したことをきっかけに、リクルート系列の会社に転職。
そこでは開発コンテストのプロデューサー的な立場を担ったのですが、
大きな会社の割に個人裁量が大きく、やりがいがありました。

日本全国を回ってその土地の開発者を探し、コンテストの参加を募る。
そして、コンテストの最後には受賞式のセレモニーと、
まさに大きな文化祭のような雰囲気を再び味わえたんです。

一方、その頃は個人でサービスを出せていなかったため、
そろそろ自分でも、と思い「CoffeeMeeting」を手がけました。

以前から実名制のマッチングサービスは面白いと思っていましたが、僕はもっとオープンな形にしてみたかったんです。
「○○時にお茶したい」なんて、ある意味自分のプライベートを晒すことになる。
それでも、隠しているものをあえてオープンにするという、新しいマッチングサービスのルールが作れたかなと。

サービスは2012年2月14日にオープン。
1週間で約2500人の登録があり、実際のミーティングも100件以上行われたので、手ごたえは感じました。
現在までに計1万件、1日約30件のミーティングが行われています。

“楽しく人が出会える”をテーマに、新たなサービスを生み出す!

「会社名の由来は」とよく聞かれるのですが、思いつきです(笑)。
社名を伝えるときに、真面目に言っているのに冗談っぽく聞こえれば良いなと思ったんです。
あと、あまり意味のない名前のほうが、インパクトもあって面白いだろうと。

今後は“楽しく人が出会える”をテーマに、新しいサービスもやっていけたらと考えています。

実際「出会い」といっても「CoffeeMeeting」では男女の出会いは特になくて、
大半は男同士で将来の夢や仕事について熱く語っているんですね。
「CoffeeMeeting」のルールがあると、いろんな人と会いやすいんです。
とはいっても利用者は志の高い方が多くて、1年で170回くらい誰かと会っている経営者もいます。

一般的に「出会い」というと、なんとなく怪しげな響きがするじゃないですか(笑)。
でも健全な出会いって、きっと誰でも求めていることだと思うんですよ。
全く異業種の人と話すのも楽しいですし、何かしら収穫がありますから。

それこそマッチングサービスといえば婚活や合コンのようなものが中心で、
これまで社会人の男性同士が出会うためのサービスは意外となかったので、そこに注力していきたいなと思っています。

打席に立ち続けるからこそ、ヒットが生まれる

このサイトを見ている学生さんはきっとモチベーションが高く、
誰かに言われなくても、日々いろんなことを頑張っているのだと思います。

僕が言えるのは、今はとてもチャレンジしやすい時代だということ。
特にWeb業界についてはその傾向が顕著ですね。
僕の学生時代にはサービスを開発してその日のうちに公開したりなんてなかなかできなかったんですが、
いまはそれが当たり前にできる時代。
個人でも自分のアイディアが試しやすくなっています。

僕はこの10年ほどで約10個のサービスを開発してリリースしましたが、
その中で唯一ヒットしたと言えるのが「CoffeeMeeting」です。

ホームランとは言えませんが、打席に立ち続けたからこそヒットが生まれた。

学生のみなさんにも、どんなに失敗してもチャレンジし続ける姿勢を持ってほしいなと思いますね。