代表取締役 粟津 浜一


代表取締役 粟津 浜一

設立 2009年1月
事業内容
  • 中古携帯電話の売買
  • 中古携帯電話の提携店サポート
会社HP http://www.award-s.com/index.html

学生時代は宇宙工学を専攻

大学で宇宙工学を専攻していた私の将来の夢は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)で働くことでした。
学生時代にJAXAの研究の一部にも参加させて頂き、「就職先はここだ!」と決めていたのですが、
その思いも空しく、就職は筆記試験で落ちてしまいました。

そこで、宇宙関連の事業をやっている企業を就職先に探しましたが、
事業内容が理想とマッチしなかったり、受けてもご縁が無かったり・・・。
結局、宇宙のことは忘れて別の業界で開発職として働ける企業を探すことになりました。

起業のきっかけ

就職をしたのは、大手電機機器メーカー。私は研究開発部門に配属されました。

しかし、次第に私の理想と現実は大きくズレていきます。
入社まもなく、同じ部署の中で出身大学によって役割が振り分けられ、自分はいわゆる下流の専門的な業務をやるはめに。
私は入社一年目にしてこの企業での将来が見えなくなりました。
そして、実際の業務でも自分の望んでいたような仕事をすることができず、悩みました。

自己実現のための選択肢は2つ。起業するか、実家の自営業を継ぐか・・・。

実家は、毛織物の生産や補修を行う事業をしています。
かつては大勢の従業員を抱えていた実家の事業は、今や従業員は数名の状態。
そして、国内の生産業は海外の波に押されて厳しい状況です。
やるからには、新しい技術を取り入れて革新しなければと考えていましたが、
社長である私の父はまったく関心を示さなかったため、これでは継ぐことは難しいと思いました。

正直、これまで研究開発に没頭してきた私には会社経営のノウハウも知らず、起業は難しいと思いました。
しかし、もう起業しか自己実現の方法はなかったのです。

事業のポイントは3つ、大切なのは差別化をすること

起業のパートナー(現在の取締役)とは、ビジネスセミナーの参加をきっかけに知り合いました。
お互い15万円ずつ、合計30万円を資本金に起業しました。
さて、事業内容は何にするか?アイディアは40個以上出し合いました。
高級外車のレンタル、ブランドリサイクル、旅行会社などがありましたね。

しかし、絶対の3つの条件があり
① 初期投資が少ない、
②これからの成長分野である、
③No.1が狙える、
これらを満たすものということで、中古携帯電話の売買という結論がでました。

私たちにとっては、まったくノウハウの無い新しい分野への挑戦でした。
なので最初は、お金もないので実店舗ではなくインターネットで売買をしていました。
しかし、本当に必要なのは差別化だったのです。
実は、実家の毛織物の事業も厳しい状況ながら、潰れる競合があるなかで生き残って続いているんです。
子供の頃、祖母によく聞かされました「特徴があれば、会社は潰れない」と。

時代の流れを強みにする

差別化をするには、利益を上げるには、どうしたら良いのかと考えた結果、
自社で中古携帯電話売買のWEBサービスを開発しました。
開発からリリースまで約1年半かかりましたが、
“誰でも簡単に買い取れる”をコンセプトに、圧倒的な差別化を実現しました。
実店舗をつくる金銭的余裕がないなら、ノウハウを売ろうと考えたのです。
主な提携先は、リサイクル業界の販売店。
リサイクル業界では、取扱い商材(衣料品、家具、本など)が限定的で、
競合との差別化が難しい時代になってきています。
いかに新しい商材を目玉として扱うかが課題なのです。

そこに、新しい商材として中古携帯電話が時代にマッチしてきました。
SIMカードを交換すれば良いのでニーズは高まり、
少しでも安く携帯電話が欲しい人や新規契約や機種変更には2年契約が主流のなかで、
自分の好きなタイミングで携帯を変えたい人にとってはメリットの大きい商材です。

今後の展開

いつでもどこでも、中古携帯電話の売買ができるようにしたいですね。
今はインターネットであれば全国どこでも買えますが、
今後は全国の提携店舗の在庫をネットワークでつないで、実店舗で欲しい商品を買えるようにしたいです。
加盟店は現在約600店舗ですが、最終的には2,000店舗まで伸ばしたいと考えています。
その為には、中古携帯電話の市場で当社が大手となり、
さらなる買取力のアップやシステムの充実をはかることで提携店の売り上げを上げていかなければなりません。
その目標を達成するために、まずは当社の各セクションのプロフェッショナルを育成することが必要だと考えています。

将来起業を考えるみなさんへ

ビジネスは“儲けること”よりも、“世の中にどんな貢献ができるのか”ということが大切です。
金儲けに走ると失敗するとよく言いますよね。
世の中に貢献できる企業は、結果的に日本の国家そのものにも貢献することになり
大変な価値のある存在です。

そして、起業するなら新しいものを発信することも大切です。
ゼロから新しい可能性を見つけて、何かを作り上げるのはベンチャーの使命です。

経営で最初に必要なのは、人間性・社会性・科学性のうちどれだと思いますか?
答えは、科学性。
科学性をもって、世の中の構造や人の消費行動などを細かく分析し
ビジネスのブルーオーシャンを見つけることが大切です。

ベンチャーがレッドオーシャンで戦うのは難しいでしょう。
人間性や社会性も大切ですが、それは起業してからさらに磨きあげられるもの。
まずは、生き抜いていくための科学性を身に着けてください。