株式会社天地林 代表取締役 河合敬則


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代表取締役 河合敬則


代表取締役 河合敬則

設立 2012年3月8日
事業内容
  • 木のおもちゃ、雑貨の販売
  • 新商品の企画・開発
  • 木材を多くの方に伝えるプロモーション企画
  • 「木の壁紙」の販売
会社HP http://www.tenchirin.co.jp/

将来は起業したいと、会計士の資格を取得

学生時代は、ゼミ長をやったり、サークルのイベントを企画していました。
人を楽しませることが好きでしたし、これをやったら楽しいんじゃないかな、
と自分から行動を起こすタイプでした。
就職活動中も、自分は大企業の中で働き続けるのは向いていないと、何となく感じていました。

この事業で起業したいという明確な目標はなかったものの、
経営をやってみたいという気持ちはあり、
就職して働きながら起業のきっかけを探そうと思いました。

また、会社を起こすなら自分がまず会社の数字を知らないといけないので、
将来役に立ちそうな会計士の資格を目指しました。

会計士になれば、いろんな会社の人と出会い、勉強ができます。
実際に、監査法人である前の勤務先に就職してみると、
多くの社長や経理の責任者と話すことができ、刺激や学びを得ることができました。

安定した会計士を辞めて起業

起業したのは、勤務先で同期だった佐々木との出会いがきっかけでした。
出会ってから3か月で、2人で起業しようと相談を始めました。

起業は2012年3月、と起業する時期だけを先に決めスタート。
なぜその時期だったかといえば、会計士の資格習得には、
監査法人で2年間、実務を経験することが必要だったからです。

その条件を満たしたところで退職し、会社を設立しました。

親には、なぜ安定した会計士を辞めるのかと反対されました。
実は結婚も決まっていたので、妻の両親には
自分はこういうことをやりたいと正直に話し、
しばらく見ていてくださいと、理解してもらいました。

起業の半年ぐらい前から準備を始めました。
といっても、考え尽して計画を練ったという感じではなく、
ビジネスを知っている人が見たら「これではまずいだろう」と言われそうなくらいで、
半年の準備期間を設けたとはいえ、退職まではあまり相談する時間が取れなかったのです。

日本の山や林業のためという使命感

林業で起業するというのは、佐々木と出会ってから決めました。
私も佐々木から聞くまで知らなかったのですが、
今、日本の山では、木が使われないまま放置されています。

一方では、海外で違法に伐採された木を輸入している日本があり、
その矛盾を何とかしたいと思いました。

現在、木造建築自体はそれほど減ってはいませんが
生活スタイルが変わり、木の使い方が変化しています。
それにより、建物の構造に木を使っていても、
目に見えるところには木が使われなくなっています。
そういったニーズを捉えられず、木材の流通が対応できていないのです。

日本の木材は平均すると輸入木材より安いのに
このニーズに合っていないために、
一部のこだわりのある人たちにしか使われていません。

林業に携わる山の人たちも、
木の使い方、木の良さを伝えてきれていないところがあります。

私たちの事業は、お金儲けのチャンスがあるからではなく、
苦労はあるだろうけれど、日本の山のために、
ビジネスとして成り立たないものを、自分たちの手で成り立たせてみよう、
という使命感からスタートしました。

会計の知識を活かして、山の税務や経営コンサルをやろうとか
林業に関する仕事といってもやりたいことはたくさんあったため、
何から始めるかを決めるまでには時間がかかりました。

一つ一つ気付きながら自分たちのすべきことを決定

木製雑貨のネットショップに決めたのは、会社設立の直前。
商品販売から始めることにしたのは、
もっと木の良さを生活の中で感じ、日本の木を使ってもらいたいと思い、
また自分たちがマーケットを知る、という目的もあったからです。

ところがインターネットの知識はなく、販売する商品もない、
ゼロからのスタートは苦労の連続でした。

販売する商品を集めるため、職人さんやお店に電話すると
半分以上は断られ、メールを送っても7割ぐらいは返信がありませんでした。

お店の立場になれば、まったく知らない会社が
いきなりやってくるわけですから断るのも無理はありません。
厳しいことを言われることもありました。
それでも、お会いできた人たちは前向きに私たちを受け入れてくれました。

70点ほどの商品がそろい、ネットショップがオープンしたのは設立から3か月後でした。
ところがオープンしただけでは商品は売れません。
ネット広告もほとんど効果がありませんでした。

そこで自分たちのことを知ってもらったり、木の良さをわかってもらうために
地域のお祭りや、木のおもちゃの集まるイベントに出展することにしました。
イベントに来た人たちと直接話したり、カードを作って配っているうちに
お客さんが少しずつ増えてきました。

結局、一人一人に会って、直接、自分たちの考えを伝えることが、
いちばん効果があったのです。

10年後、“山”を持つことが目標

林業や木を使うというキーワードで動いていると
日本の山に関心のある人たちが、周りに集まってきました。
また自分たちと同じように木の良さを広めたいという
意識を持った人たちとも出会うことができました。
うちにはこんなのがあるけど、というお話をいただくことも増えてきました。

その活動のなかで、木を薄くスライスして加工した
「木の壁紙」を作っている会社の社長と出会い、
「木の壁紙」を販売する事業もスタートしました。
建築士など事業者向けですが、
将来は、リフォームしたいという人たちにも販売していく予定です。
「木の壁紙」の営業をしていて、木を使うことで日本の山に貢献したい
という建築士にも出会う事ができました。

この壁紙を足がかりに、5年後の目標として、
床や柱など建材も扱っていけるようになりたいと思っています。

さらに、10年後には、山を所有し、木を加工する工場を持ち、
山から加工、販売まで一本化して、
山、工場、販売、そしてコンサルティングという4つの部門を持ち、
自分たちでやっていくことが目標です。

どんな小さな仕事でも、本気で取り組むことが大事

学生の皆さんに伝えたいのは、やりたいことを実現したいと思ったら、
与えられた目の前の仕事をまずは本気でやることです。

どんな小さな仕事、たとえば掃除でも、見ていてくれる人は必ずいます。
掃除をこれだけきっちりやる人なら、今度これをまかせてみよう、
ということがあるかもしれません。
すぐに認められなくても、無駄にはなりません。

それからもうひとつは、「これをやりたい」と思ったら
自分に言い訳をしない、自分を甘やかさないことが大事です。

やりたいことがあるなら、その目標に向かって信念を曲げないことです。

親に反対されたり、思うような会社に就職できなかったとしても
週末にいろんな人に会ったり、行動しているうちに道は開けます。

あきらめないで、ぜひその気持ちを持ち続けてください。

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