代表取締役 尾登 正幸

代表取締役 尾登 正幸
設立 2008年12月
事業内容
  • 適性診断をベースとした採用コンサルティング
  • 適性診断をベースとした組織診断、組織変革
  • グループディスカッション、採用面接同席
  • 教育研修(内定者研修、新入社員研修等)
会社HP http://www.rayered.com/

「人生を楽しむ」ために起業を決意

「起業しよう」「社長になろう」と考えたのは、いよいよ就職活動を始めるという時期でした。
それまでの私は、小学生の頃はおとなしい子供、中高時代も目立つこともありませんでした。
大学で経済学部を選んだのも特に何か目標があったわけではなく、「つぶしが利くから」でした。
しかし大学3年生になって就活のガイダンスを受けた時に、ふと考えたのです。
「自分はいったい何をやりたいんだろう。このまま普通のサラリーマンになるのか」と。
そうはなりたくないと思い、何をやりたいのか一週間位すごく悩んだのですが、
答えは見つかりませんでした。

ただ、その時に一つだけ浮かんだフレーズがあったのです。
それは「人生を楽しみたい」というもので、そこから思考が変わっていきました。
「人生を楽しむためには→好きなことをする→好きなことができるためには
→自分の会社を持つ→起業しよう!」
しかし、大学卒業後すぐに起業をするのではなく、目標を新卒から3年後と定め、
それまでに必要なことを学び、経験することにしました。

3年後には起業するのを目標にしていた新卒時代

就職活動をした時には、コンサルティング業務に就くことを目指しました。
コンサルティングに興味を持ったきっかけは、学生時代のアルバイト先で、
店長にちょっとしたアドバイスをしたら、たまたま業績が伸びたという出来事でした。
自分のアドバイスによって業績が伸びて、周りに感謝されたことが嬉しかったですし、
とても面白いなと思ったのです。
それで「人材コンサルティング会社」に入社したら、実際には「人材派遣会社」でした。
しかし上司に「人材派遣も、お客様の要望に応えて派遣するんだからコンサルだろ」
と言われ、新卒で何も分からない私は「そういうもんなのかな」と(笑)。
今考えると根本的に違うのですが、当時は納得して一生懸命に働きました。

派遣会社では、ほぼ休みなしでした。
月曜から金曜までは営業をして、土日も派遣スタッフのフォローで動き回るからです。
また、3年後に起業を目指していることを公言していたので、新卒でただ1人
マーケティング業務の子会社へ出向したり、私しかいない支店で仕事をしたりもしました。
それも、当時の人事部長からの修行だったのかもしれません。

人材派遣事業の立ち上げメンバーとして転職

新卒で入社して1年半が過ぎた頃、とある社長から誘われて転職。
その会社はマーケティング会社でしたが、新規事業として人材派遣業を始めるので、
立ち上げをやって欲しいと言われたのです。
事業部責任者としてゼロから作り上げるので、とても大変なことは分かっていました。
しかし「新卒から3年後には起業する」という目標まで、残り1年半という時期だったので、
自分自身の起業に向けて、よい経験と勉強になると考えて引き受けました。
全て自分で作ることができるのは、単純に面白そうだとも思いましたし、
もし失敗しても20代のうちならやり直しも可能、それも教訓として生かすつもりでした。

実際に始めてみると本当に大変でした。
まさに何もかもが「ゼロ」の状態で、会社の資料も契約書も、派遣の登録用紙もありません。
私自身、前職で派遣会社に勤めていたといっても、ほんの1年半だけでしたから、
立ち上げのあたって何から始めたらいいのかさえ分からなかったのです。
とにかく色々と調べたり他社のを参考にしたりして、必死で頑張りました。

企業の要は「人」である

「コンサルティング」に興味を持って社会人生活をスタートし、転職を経て起業をするに
あたっては、それまでのキャリアを生かして、人事コンサルティングで事業を始めました。
コンサルティングには人事の他、経営、営業、財務など、色々ありますが、
私が見てきて思うのは、結局いきつくところは「人」であるということ。
よく「人・モノ・金」などと言いますが、モノや金を動かすのが人です。
そして、どんなに素晴らしい戦略を立てても、働いている人間がしっかりしていないと
成功はしません。

また、人事コンサルティングは、次世代にもつながる大切な仕事だと思っています。
従業員の教育や育成をきちんと行うことで、仕事においても自分の生活においても、
しっかりと前向きでいられるようになります。
それは、その従業員の家族や子供たちにも伝わっていくはずです。
人生は幼少期に大きな影響を受けるので、両親の在り方はとても重要。
そのような意味で、会社における人事コンサルティングは、次世代のために
より良い社会を作っていくことにもつながると信じています。

「日本からアジア、アジアから日本へ」

今後はアジアへの進出もしていきます。
グローバル的な視点からいくと、これから20~30年くらいは中国の時代で、
それ以降はインドの時代であると考えています。
だから、まずはアジアを取り込まないと、日本は生き残ることはできません。

アジアを取り込むというのは、アジアの人材を日本で活用すること。
今や外国人留学生がどんどん日本に入ってきて、日本の中でもグローバル化が進んでいます。
そこで日本人だけを見ているのでは、企業は立ち行かなくなります。

それと共に、日本人もどんどんアジアに出て行くべきであると思います。
世界からは「日本はもう伸びない」と見られ始めているため、外国の優秀な人材、
学問の権威などは、日本には来なくなっています。
その代わりに彼らが向かうのが、今は中国。
だから世界的に優秀な人に教えを請う時には、日本人は中国に行かなければなりません。
残念ながら今はそのような時代なのです。
このような、「日本からアジア、アジアから日本」の人材の橋渡しを、これから私たちも
積極的に展開していこうと考えています。

学生へのメッセージ

若いうちは、どうしても視野が狭くて、半年、1年、2年といったスパンで
物事を考えてしまいがちです。
しかし私は、もっと長いスパンで、5年10年20年で見てごらんと言いたいですね。
いくら自分の好きなことをやったとしても、1年くらいでは結果は出ません。
5年で、やっとそれなりの結果が出始め、10年やれば自分の芯を確立できます。
そして15年続けたらプロフェッショナルで、20年にもなれば先生ですよ。
1年や2年の範囲で物事考えていると「つまらない」と感じてしまいますが、
もっと先を見据えて続けたら、その道のプロになれるのです。

好きなことであれば、続けることができる。
そして好きなことをやっているから「人生が楽しい」。

私の場合、「人生を楽しもう」という気持ちの根底には、自分の好きな人達、仲間達、
周囲の人達、関わりのある人達、皆が生き生きと幸せでいてほしいと思いがあります。
そのためには、まずは自分が前向きに生き生きとしていようと、常に考えてきました。
自分自身の成長はもちろんですが、自分を取り巻く人達や環境にも視野を広げて、
若い時期を過ごしてください。