代表取締役 松田 高明

株式会社ゼウス・リアル 代表取締役 松田 高明

代表取締役 松田 高明

株式会社ゼウス・リアル
設立 平成18年8月2日
事業内容
  • 不動産買取再販事業
  • 不動産流通化事業
  • 不動産コンサルティング業務
  • アートフラワー製作、造園請負、フラワーコーディネイト事業
会社HP http://www.zeus-real.co.jp/


やりたい事がない!

中学生の時は、大人になったらこれがやりたいということもなく「今この時」を楽しんでいました。
高校に入るとバンド活動に熱中するようになりました。

高校はバンド活動と、スタジオ代や楽器代を稼ぐのに忙しくて、
学校へ行く暇がなく、半分も出席していなかったですね。
そんな調子では卒業できるはずがなく、結局、ドロップアウトしてしまいました。

社会に出るにもどうやって働こうというのがないまま、
友人が紹介してくれた宝石の製造・卸会社で働き始めました。
右も左も分からないのに、ダブルの背広を着て、飛び込み営業を始めたのです。

その当時は将来のことを考えることもなく、
ただ漠然と「金持ちになろう」ということぐらいしか、自分の中にはありませんでした。

この会社には3、4年いたのですが、会社が突然解散してしまいます。
人よりは良い暮らしをしていましたが、蓄えがないのでどん底の生活になっていきます。
自分にあるのは度胸と営業力だけです。

たまたま友人のお兄さんが倉庫管理会社にいて、型遅れの商品が安く手に入ったため、
それを小売業者に販売する仕事を始めようと思いつきます。
基本的には現金取引きでしたが、資金繰りが苦しい時もありましたね。
いわゆるバッタ屋を自分で商売していましたが、自営でも経営でもないのでなかなか
うまくはいかないもんですね笑

その時、ふとサラリーマンをやったことがないと思い、
就職情報誌で見つけた加賀友禅の会社に就職します。
軍隊のような会社で、30人いた同期があっという間に3人に減ってしまいました。
それでも1年ほど頑張ったのですが、展示会で、手描きで同じものがないはずの
加賀友禅なのに、色違いの商品を見つけてしまいました。
偽物だった…と知り、すぐに退職しました。
辞めて半年ぐらいでその会社は詐欺で訴えられていましたね。

不動産業界へ

不動産業界に興味を持ったのは、ふとしたきっかけで住宅ローンを組むことになったのがきっかけです。
不動産のことは何も知りませんでしたが、「不動産は面白そうだ」と思ったのです。

そこで不動産会社に就職し、大家さんを訪ねて賃貸物件を仕入れる仕事を始めました。
毎日、飛び込みで大家さんを訪ねて営業をするうちに、不動産には色々なバリエーション
があることがわかり、この道で生きていきたい、と思うようになりました。
ここから、漠然とではあるのですが、「独立」というものが出てきたのです。

この会社では、1年で新築物件を3現場取れたら”スーパー営業マン”と
言われたのですが、2現場取ることができました。
ちょうどその頃、友人が始めた不動産会社に誘われ、
基本給10万円という条件でしたが、歩合で稼ぐ自信があったので、転職します。

さらにその後、別の不動産会社から賃貸の責任者にと請われましたが、いったんは断ります。
「建て売りの業務を教えるから」と言われたので、また転職することにしました。
この会社は少数精鋭でしたが、全員がプロで、とにかく勉強になりました。
特に、社長からは吸収することが山ほどありました。

入社4ヶ月目に、20万円のボーナスが出たのですが、新人で成果がでていなかったので、
返したのです。でも、社長は受け取らず、「それなら、その金は自分を成長させるために使え」と。
それで、全額、宅建の学校につぎこみました。

ただ、一番下っ端だったし、事務仕事もやらなくてはなりません。
だれよりも朝早く出社して、雑用を片付けて、営業に出かけ、帰宅してからも会社の勉強や
宅建の勉強を続けました。成果を上げないといけない、とがむしゃらにやりました。
深夜に帰宅後、睡眠時間を削り勉強に費やしました。

この会社に入って1年ぐらいして、お金を貯め始めました。
5年修行して、自分に自信が付いたら独立しようと決心したのです。
自信が持てなくて計画が1年延びてしまいましたが、6年間で独立資金を貯めました。

会社法が変わって、株式会社は1円からでも設立できるようになりましたが、
100万、200万では不安です。
600万円あれば、3ヶ月仕事がなくても何とかなるという見通しでした。
カミさんには内緒で、家には固定給だけ持って帰っていたのですが、
あんなに働いていておかしいと思った、と言われました。

会社を設立

社長には義理を感じていたので、丸6年働いて8月に退職し、
8月2日に会社を設立しました。

独立する時には、共同経営をしようという話もありました。
でも、不動産業界に限らず、共同経営はいつか金銭でもめるケースが多い。
お金で人間関係を壊すようなことだけは、したくありませんでした。

一緒について行くと言ってくれる人もいましたが、給料を払う自信がなかったので、
最初は全くの1人で始めました。
恵比寿で8坪の事務所を借りて、内装や棚などは自分で取付作業したり、
机・椅子・備品は前の会社からお古を貰ったりと節約できるものはとことん節約しました。
ウキウキとドキドキを抱いたまま、がむしゃらに仕事をして一人、また一人と増やしていきました。
不動産業界で独立しようと考えた時、当初はお金が大事だったのですが、今は違います。
もちろんお金は必要だし、稼ぎたいけれども、それよりも家族の幸せや、
社員とその家族の幸せと言った、違う豊かさを大切にするようになりました。

お客さんが喜んでくれる家づくり

会社の収益の柱となっているのは、土地やマンションの買い取りです。

マンションはリノベーションがはやっていて、同業者が多いのですが、
デザイン性よりもコストダウンに注力している会社が多いようです。
事業としては当たり前なのかもしれませんが、うちは買ってくれたお客さんが
一緒になって喜んでくれる家づくりを心がけ、他社とは一線を画しています。

その分、コストはかかっているのですが、お客さんが感動してくれたら良いと思っています。
もちろん、自己満足で終わってはいけないのですが。

もう一つの強みは、仕入れのネットワークです。
僕や仕入れの担当者のネットワークを活かしているので、
他社とあまり競合することなく、仕入れができています。                    

大切なのは閃き・アイディア・センス 今の世の中、多種多様な仕事がある中、
人と同じ考えでは生き残れない、アイディアを形にできないと生き残れない。
いつでも考えをメモできるようにしています。

分社化し、グループで50人規模の会社に

昨年5月からは結婚式場とタイアップした新しい事業を始めました。
ドレスや旅行会社などが結婚式場と提携していますが、なぜか不動産会社がありません。
誰もやっていないから、進出したら面白いだろうな、と思って、
ホームページやパンフレットを作り、本腰を入れ始めました。

お客さんは式場の紹介でいらっしゃるので、うちを信用してくださるし、
紹介手数料が安くなるのです。
式場にはうちから手数料を払うから、Win-Win-Winの関係になるのです。

利益は今はまだ多くありませんが、すでに提携式場が73社になりました。
この事業を安定させるつもりですが、あと1年半で結果が出なければ止める覚悟もしています。

今後は、リノベーションをしたい人向けのサイト「ココティ」と、新婚さん向けの
Shinkon-Homeを分社化していくつもりです。
さらに、心の中ではもう一つ、新規事業を暖めているところです。

やみくもに人を増やす職種ではないので、グループで40-50人の会社にして、
3年後には売上高20億円を目指したいですね。

大志と小志を持て

若い人に言いたいのは、自分の道を見つけたら、
ずっとぶれない夢である「大志」を抱くと同時に、
大志を実現するための方法である「小志」を持つべきだということです。

小志はときには修正することも必要ですが、大志をしっかり抱いていれば自分の軸が
ぶれることはありません。少志を修正して遠回りしても、それが大志に繋がるのであれば
いいのです。但し、背伸びをしても早歩きしても経験に勝るものはないので、
しっかり自分の足元を固めながら大志に向かってください。

あと、古くさいですが、義理はどんな世界でも重んじる必要は絶対にあると思っています。
仕事がつまらない・給料低い・休みが少ない等、愚痴が多い人はどこの会社に行っても
同じ。隣の芝生は青くないとおもって、仕事に、会社に頑張っててください。

己に克つ

先輩社長から教わった『克己心』 己に克つとはなかなかできることではないし、
だからこそ自分に言い聞かせています。毎年1月2日に、手帳にその年の目標や
大切にしたい想いを書き初めするんです。

今年は『克己心』『攻撃』『柔和』『素直』『集中』。
自分に克てるのは自分しかいないんです。自己を磨き、自己に克つ。
これからも『克己心』大切にしていきたいとおもいます。