代表取締役社長 新田 恒夫

株式会社エヌコム 代表取締役社長 新田 恒夫

代表取締役社長 新田 恒夫

株式会社エヌコム
設立 2000年
事業内容
  • 電子カルテや医療会計システムの開発、販売、保守、設置に関する設備工事
  • コンピュータ技術者の養成及び派遣
  • 医学・医薬に関する情報収集及び情報提供業務
  • 病院、医院施設の企画ならびに設計
会社HP http://www.ncom.jp/

アルバイトで身についた営業スキル

大学時代は、アルバイトばかりをしていました。
スーパーで販売促進をするマネキンや、車のワックス塗りなど、
30種くらい色々な仕事を経験しました。

今になって思えば、この店頭販売のアルバイト等で自然と営業のスキルを身につけることが出来、
自ずと大きな声を出すことであったり、短時間で商品の特徴を説明する能力が身につきました。
マニュアルはもちろんありましたが、お客さんの反応に応じて商品をアピールするなど、
自分なりに工夫して取り組んで行うことで、飽きを作らせずに、
お客さんの笑いをとろうとしてみたり、色々と変化をつけて行えていました。

他には、ディズニーランドの建設のアルバイトもしましたし、
本当に大学4年間様々なアルバイトを経験したお陰で友達がたくさん出来たこと、
社会経験が出来たことが良かったと感じています。

コンピューター関連の医療事業の世界へ。

親が農協関係の団体に勤めていたこともあり、大学の4年の頃には、
商社に行きたいと思い、農協関係の大手商社を受けたのですが落ちてしまい、
結果、子会社の、食品関係の会社に就職しました。

当時はまだ新しい会社で、これから伸びていくところでしたので、
工場で研修を受けたり、配達をしたり、
学校給食の受託を行ったりしながら新規開拓に携わることもでき、
楽しかったですし、充実感はありましたね。

しかし怪我をしてしまったことをきっかけに、自分の力できちんと就職し、
新しい一歩を踏み出そうと思い、社会人2年目の頃に、
富士通グループの販売会社でコンピュータの営業に転職し新たな営業に取り組み始めました。

苦労を重ね売り込んだ医療ソフト

就職した富士通グループ会社で、お客様の業種ごとに分かれたチームで営業に取り組み、
経験を積んでいく中で、グループ会社では、どうしても自主性に乏しく、
物足りないと感じていた部分もあり、ちょうどひとつ大きな成果を出したタイミングで、
元職場の先輩から同業他社へ移ることを勧められ、
独立系の富士通ディーラーに、再度転職しました。

転職した時期にソフト開発部門が薬の添付文書ソフトを作ったことをきっかけに、
製造業向け営業を担当していた関係から、製薬会社にまず売り込みに行ったところ、
何処に行っても「これを売るなら病院向けだ。」と同じ回答で断れてしまい、
結局、色々なツテを辿ってなんとか、この製品を売り込むことにこじつけることが出来ました。

これまでとは全く違う医療という現場を知り、学ばなければなと感じ始め、
30歳を過ぎていましたが、知識をつけるために奔走しましたね。
そんな日々を送る甲斐があり、ようやく、売り上げが上がるようになってきました。

そして、ひょんなことから、病院関係を相手にしている販売会社があるという話を受け、
2次販売店を設けることで、売り上げを更に伸ばすことに成功しました。

反骨精神で局面を乗り切り、独立。

しかし、その販売会社が、ユーザーは残っている状況で倒産してしまったのです。
薬の卸会社さんから、「あとはお宅がやるべきだ。」と言われてしまい、
医療知識も乏しく、商品の情報も大してわからない状況で、
ライバル会社と対当することになり、そのような中で何とかしなければという思いで、
解散したチームから人材を入れたりして、現在の販売チームの前身が出来ることになりました。

その後、会社経営が様々な局面に直面し、チームは解散してしまいました。
そして37歳の時に、自分しか残っていない状況になってしまい、
たまたま静岡の代理店が東京に営業所をつくることになり、
ユーザを伴ってそこの会社に入りました。

しかし、経営方針と自分のやりたいことの違いを感じ、
2年半その会社に勤めた後、独立しました。
独立したからと言って、すぐに上手くいくわけには行きませんでした。
東京都内での営業は駄目と言われ、埼玉地区でスタートを切り、
1年半ほどそこで経営しました。

そして大きなユーザーも出来た頃、やはり東京に出ていかなくてはいけないと思い、
契約を破棄することで、東京に支店をつくり、きっかけは一緒に苦労した仲間と悔しさを共有し、
反骨精神で貪欲に取り組んでいくことが、私たちの原点にだと思ったからです。

伸び代のある業界でチャレンジを。

現在、300件ほどの病院や医院、介護施設等と提携しています。
皆さんもご存知のように、病院では患者が保険証を出すことによって、
少ない負担で治療を受けることができ、その他の部分は保険組合が負担します。
その他、薬の値段や検査の値段も、全て国によって決められている公定価格です。
このような社会システムの中で料金を計算するのが、
レセプトコンピューターと言われるシステムです。

また、病院の先生が書く営業日報やカルテも、
法律によって書くことが義務付けられているものです。
これらをコンピューターで書くのが、電子カルテというものです。
この業界は、日本では他国に比べてまだまだ発展途上にあります。
現在日本での電子カルテの普及率は15%ほどですが、
韓国ではほぼ100%です。

今は中小の民間病院の電子カルテ化に力を入れて取りくんでいます。
これから先、伸びていく業界だと思いますね。
まずは社員とお客様あっての会社だということを忘れずに、
次の世代に繋がる、自社独自のものを開発し、残していきたいと考えています。

学生へのメッセージ

コンピューター関係の仕事に就くとは学生時代は思っていませんでしたし、
病院での営業は暗く、絶対やりたくないとまで、思っていたのですが
しかし、仕事をすること自体が好きだからこそ、ここまで来れたのだと思います。

1つの業界に詳しくなると、他にも応用は効きますし、
どうせ生活するために仕事は不可欠なものなのですから、
どのような仕事でも、好きになるまでとことんやってみるのが良いと思いますね。
縁があって就職した場なのですから、よほど精神的に耐えられないという場合を除いては、
納得がいくまでやってみると、見えてくるものがあると感じていまして、
今の会社と自分は何か違うと感じたならば、今とは違う、
もっと良いやり方があるのではないかと考えてみるのも、良いと思いますね。

学生の皆さんには、約束を守ることをまず徹底して欲しいと思います。
私としては、自分の芯をしっかりと持ち、
将来のビジョンを話せる学生さんが好きですね。
あとは、上手くいった時こそ自慢せず、上手く行かない時は
悠然と構えることが大事だと思います。

やる気があれば、何でもできます。
だから、学生の皆さんにはまぎれも無い無限の可能性があるということ知ってください!