代表取締役 山崎 直人

株式会社エヌ・エイ・シー 代表取締役 山崎 直人

代表取締役 山崎 直人

株式会社エヌ・エイ・シー
設立 2011年
事業内容
  • システムエンジニアリングサービス事業
  • システムインテグレーション事業
  • ヘルスケア事業
  • ヘルスケアサービス代理店 募集
  • システムインテグレーション パートナー 募集
会社HP http://www.nac-care.co.jp/index.html

出会いが生んだエンジニアへの道

私が就職したきっかけは、高校生の時にアルバイトをしていた居酒屋での出会いでした。
お客さんとして来られていた富士通の取締役の方に、とても可愛がられたんです。
そして高校卒業間際には、色々と考えていただき、さらに
「俺の会社に来い」」「きちんと社会人になりなさい」と
言ってくださって、富士通で働くことになりました。
富士通ではシステムエンジニアとして働き始めましたが、
当時は普通科の高校を卒業して入社した人間は、私以外は誰もいませんでした。
きっと私の入社に関しては、取締役の方がかなり色々な配慮をして、
イレギュラーな採用として入社させてくださったのでしょう。

職場には、とても怖くて厳しくて、それでいて、とても優しい先輩がたくさんいました。
学生時代が中途半端だった分、就職してからが、私の人生では勉強の始まりでしたね。
本当に色々なことを学ぶことができて、人生観が変わったと言っても過言ではありません。
そして富士通では、がむしゃらに勉強し働いて、
25歳までの7年間をエンジニアとして過ごしました。

幼い頃から抱いていた「自分で何かをやりたい」という気持ち

25歳の時に、起業したいという気持ちが沸々と湧き上がってきたんです。
それでシステム開発会社を設立し、3年ほどで100名ほどの社員数になりました。
その後も会社を大きくするための合併を2回くり返し、
およそ50億円規模の会社にしました。

起業については、急に思い立ったわけではありません。
もともと、自分で何かをやりたいとは思っていました。
これは、幼い頃から家庭の事情で経済的に苦しかったことが影響しています。
早く自立して、親に迷惑をかけないようにしたい、とにかく仕事をして
お金を稼いで生きていくんだ、そういった思いを、ずっと抱き続けてきました。

そして誰かに雇われてやっていくよりも、上手くいくもいかないも自己責任で、
自分で納得がいく仕事や、納得がいく苦労をして生きていけたらいいな、とも考えていました。
もちろん、儲けたい気持ちがないと言ったら嘘になるでしょう。
しかし、儲けることが一番ではなく、自分が好きなことを納得しながらやることが大事。
その納得した中での苦労なら何でもできると、当時も今も持ち続けています。

ベンチャー企業の立て直しから起業へ

起業した会社は安定して経営ができている中で、
「エイケアシステムズ」というベンチャー企業の立て直しを依頼されます。
当時、エイケアは設立から5年ほど経っていましたが、
営業がなかなか上手くいかず、かなり厳しい状況でした。
そこの社外取締役の中に、私が師匠と仰ぐ方がいたこともあり、
単身で支援に入りました。それが今から8年前のことです。

立て直しに従事し続けて、なんとか2年ほど前には、
上場審査に通るまでになりました。
いよいよ上場できるという状況だったのですが、
経済が冷え込んできて、タイミングを逃してしまいました。
その時に、エクスペリアン社との提携について打診があり、
大きなビジネスを展開していくためにも良いだろうと、
業務・資本提携をしました。

ただし多様化していたエイケアの事業部の中には、
そのままエイケア内で存続させていくには
ちょっと厳しいという部署もあったんです。
そこで、ヘルスケアとシステム開発の事業部を私が引き取り、
株式会社エヌ・エイ・シーとして、やっていくことにしました。

ヘルスケアとITの融合で、社会に役立つ仕組み作りを

株式会社エヌ・エイ・シーにおいて、最優先しているのはヘルスケア事業です。
母体だったエイケアは、長年にわたってヘルスケア事業を手掛けていました。
そのため、ナレッジやノウハウが確立していたので、
市場からの信頼性は、かなり高いと言えます。
そして、技術やナレッジ、サービスの中には、日本国内では当社だけ、
というものもありますし、特許を申請しているものもあります。
だから様々な大手企業が参入してきたとしても、
当社が守られている領域が存在しているのです。
このような強みがあるので、さらに広く事業を展開し、
成長していきたいと考えています。

具体的には、開発系の技術やノウハウを、
ヘルスケアという独特の分野で、さらに生かしていきたい。
日本はこれから高齢者が増えてくるなどの理由で、介護や健康管理、
医療費を抑えるための仕組みなどの需要が確実に増えてきます。
しかし実は、それらはIT化が遅れている分野なのです。
そこで我々のITの力と、ヘルスケアを融合させて、
社会に役立つ仕組み作りを目指しています。

システム開発については、極端に言えば、どの会社でもやっている事業です。
当社でなければダメという事業ではないので、飛躍的な成長をしていくとは考えていません。
ただ、我々が最も得意としているフィールドにおいて、技術特化に努めることは可能なのです。
だから、「当社にお任せください」と言えるようなフィールドを、
しっかりと固めていくことを、事業の課題としています。

将来のイメージには、現実味をもたせることが大切

「価値の創造」「プラス主義」「社員の幸福」この3つが当社の企業理念です。
これら3つの理念は当社の根幹であり、会社としてこうありたいということを示しています。
社員一人一人が会社が好きで満足をしていないと、
他者が満足するようなサービスは提供できません。
また、他者への十分な配慮がある仕事を実現していくべきであるとも思っています。
個人も企業も、そういった中で徐々に成長するので、自分自身も会社も、
将来をイメージしながら、しっかりと形成していくことが大切です。

ただし今は、3年後までロードマップを作っても、
外的な要因によって、大きく変わってしまうこともあります。
だからビジネスに関しては、2年後、3年後については、
方向性や目標を立てる程度で十分ですよ。
緻密な経営計画を立てるなら1年単位で、
きちんと検証をしながら作っていかなければいけません。

学生へのメッセージ

少し先の将来、10年後くらいに自分がどうありたいか、
イメージを持ってほしいですね。「こんな家に住みたい」「こんな仕事をしていたい」
「こんな遊びがしたい」「こんなポストについていたい」何でもいいのです。
「こうありたい」という10年後の姿を、自分の中で明確にイメージできることが重要です。

それから、「出会い」も重視しましょう。
私について言えば、様々な出会いを通して、勉強させてもらったり、応援もしてもらいました。
奇跡的とも言えるような出会いがなかったら、今の私はなかったと断言できます。
ただし今の時代、奇跡的な出会いは起き得ません。
自ら、どのような出会いを作るかを考えて動く必要があるのです。
自分の人生観を、どう作り上げていくかを最重視して、
仕事に打ち込んで生きていってほしいですね。