代表取締役 塩谷 純子

株式会社マナマナ 代表取締役 塩谷 純子

代表取締役 塩谷 純子

株式会社マナマナ
設立 2000年12月25日
事業内容
  • ファッションレンタル及び販売業
会社HP http://www.mahna.co.jp/

音楽に美術、カルチャー三昧だった10代

神戸生まれの大阪育ち。転勤族のサラリーマン家庭に育ちました。

幼い頃からピアノや書道、絵を描いたり芸術一般に親しんでいました。
母は下着以外は冬のコートまで全て手づくりをするような人で、
それこそ機械編みしたセーターの毛糸をほどいて、
成長に合わせてまた編み直すような生活。

普段から針や糸に触れてきたことが、
今のファッションの仕事の下地になったのかもしれません。

高校から美術学校へ進み日本画を学びました。
大学では当時、 池田満寿夫さんのやっていたシンナープリントという
新しいアートに興味を持ち、 版画科でエッチングをやりました。

10代はライブや展覧会に行ったりしてカルチャーに慣れ親しんでいましたね。

山ほど読んだ本から会社経営も学びました

親が転勤族で引越し先では言葉も違っていて、 なかなか溶け込めないシャイな子供でした。

それを解消するのに本に向き合うことが多く、 小学生の頃から読書量はすごかったですね。
それが後に会社経営する下地になったように思います。

文学は心理描写ですよね。経営は心理学です。
本から観察力・洞察力を得ました。
美術をやっていたので、日本と世界の美術史から歴史を学びました。
絵画の歴史から戦争を知り、弱者と強者とのせめぎ合いで
全部歴史が作られてきているのを知りました。

弱者がどうやって市民権を得ていくかとか。
これらがいつの間にか身についていて、
今から思うと会社経営をやっていくのに「強み」になったと思います。

誰しも一度は経験するジェネレーションギャップ。
そして学校やその先生方の厳しさは
今と比較にならないほど保守的環境にありました。

そんな状況を読書が救ってくれました。
国内外の文学作品から、自分なりの解決策や落としどころを見出して、
サバイバルしてきたんだと思います。

インスピレーションのまま就職へ

就職に対する意識がその頃は薄くて、就活らしい事をしませんでした。
しかし、学生時代の作品作りの為に多くのファッション写真を見はじめ、
次第に東京でスタイリストやヘアー&メークの仕事に就きたいと考えるようになり、
卒業後アルバイトして資金を作って東京に行きました。

そして、上京後まもなく、大きなメイクアップコンテストがあり、
グランプリの次の賞を獲り、ヘアー&メークの現場で勉強するチャンスを得ました。
ただその後しばらくして、スタイリストにも強い興味を持ち、
スタイリスト事務所に就職することになります。

独立企業したきっかけは?!

事務所ではインテリア撮影中心の仕事をしました。
小さなジュエリーから住宅まで幅広い仕事をたくさんしました。

その中でもモデル撮影などファッションを扱う撮影が楽しくて、
もっとファッション寄りのスタイリストになろうと独立を決意しました。

しばらくはインテリアやフードコーディネートの仕事もしながら、
ファッションスタイリストのアシスタントをして、
地道に経験を積み上げていきました。
フリースタイリストとして順調に5~6年のキャリアを積んだところで、
ふと、あるショップ形態を思い描きました。

仕事で多くのアパレルメーカーさんに貸し出しに行く中で、
メーカーさんのサンプルサイズがモデルに合わなくことが多い事や、
展示会シーズン等貸し出しストップになること等、
思い描くスタイリングに至るのに本当に苦労していました。

さらに当時の印刷事情から、かなりシーズン前倒しでの撮影が多く、
反対のシーズンの衣装を集めるのも大変でした。

これらの不都合を可能にかえる店舗があれば非常に利便性があるのではないか?
それを実現する為に起業し店舗を開業しました。

業界のオピニオンリーダーとして

2016年をもって25周年となりました。
撮影用ファッションレンタルの業界では、オピニオンリーダーとし て、
撮影イベント関連に従事する皆様には欠かせない存在となっていると思います。

そのことに関しては、とても大きな責任感を持って、生涯にわたり、
商材とサービスの最高の”Quality”を維持する覚悟で日々仕事をしています。

若い頃積んだ現場の経験を活かし、撮影現場の皆様に喜んで頂ける事が、
未だ未だ尽きないと感じ、
次に出来る事が何か?を社員全員で一生懸命取り組んでいます。

2011年のソウル社設立、2013年のニューヨーク社設立もとても大きな出来事でした。

ソウル社はシンプルにファッションレンタル事業のみを展開しています。
同じ業種が存在しないところからスタートし、
タフな戦いでしたが、設立3年以降順調に伸びをみせています。

ニューヨーク社では、同じ業態プラスファッションブランドのショールームと
卸事業等がもう一つの柱となってきました。

また、日本のブランドの紹介をさせて頂いたり、
日米を横断する大きな取組も始まっています。

日米韓をまたいだスタイリスト様やブランド支援など、
今までお世話になってきた皆様に喜んで頂けるような取り組みが、
何かできないかと考えているところです。

2015年から一般のお客さまへの
ドレスやフォーマルな装いのレンタルも始まっています(オンラインレンタルも可能)。

特別な日の為のお手伝いが、多くの皆様に提供できれば良いなと考えています。
様々な年代の方にも、
特別な時間特別な日を過ごしていただくお手伝いを衣装レンタルという形で。

また、日本の方のみならず、来日される観光商用目的の方々に、
荷物を軽くして弊社で 気軽にレンタルというのも考えています。

スタッフは日本だけで約70名になりました。
男女比は女性が6割ほどです。男性社員が年々増加傾向にあります。

女性社員の中では、産休育休取得後復帰を経験した方が10名近く。
私も二人の子供達を育てながら25年やってきましたので
、復帰されて元気な様子を見るのがこの上ない喜びです。

人材について必須の条件とは

・心の体育会系がほしいです(笑)!!
・変化に強い人
・チャレンジし続ける人
・諦めない人
・たまには立ち止まって根本的な見直しが出来る人

学生へのメッセージ

「気づきと思いやり」という言葉が好きです。
単純作業であろうが、高度な研究であろうとも、
強い興味を持ち、臨まなければ”イノベーション”は無い 。

気づきがあって、何事かに思いやる、
または思いめぐらせることが出来れば、何らかのアクションが起こります。

それが大きな連鎖になります。それが仕事じゃないですか?
待っていては何も始まらないでしょう?

マナマナでは毎週全員参加型「goodidea会議」があります。

全社員でどんな小さなことでも良いので(文具一つからシステム改善はたまた新規事業まで)、
こうしたいああしたいを溜めていって、
一つ一つを検証して具体化すべきか否か判断する会議です。

代表の私や執行役員が必ず出席していますので、
決断が早いし、みんなとの良いディスカッションの場ともなっています。

仕事における変革と進化という言葉も好きです。
どんな業態であろうとも、諦めなければそれが不可能という事は無い。

恐れず自分を信じてたくさんの事に興味を持ってチャレンジをしてほしいです。