代表取締役 御守 由人

代表取締役 御守 由人

設立 2006年1月
事業内容
  • プロジェクトマネジメントサービス
  • セキュリティコンサルティング
  • IT戦略コンサルティング
  • 経営コンサルティング、企業改革コンサルティング
  • システムインテグレーション、技術者派遣サービス
会社HP http://www.abi-inc.co.jp

「社長になりたい」という思いを抱きつつ、なんとなくIT企業に就職

会社を経営していた祖父の影響で、子どもの頃から漠然と「社長になりたい」と思っていました。
祖父の会社は工業用の乾燥機器の製造販売をしていたのですが、
その業界の景気のよい時代を見ていたことも大きく影響していると思います。

私が3歳の時に両親が離婚して母子家庭で育ったのですが、
祖父の経済的な支えのおかげで、かなり裕福な生活をさせてもらいました。
だから、自分も「より家族を豊かにさせてあげたい」という思いもありました。

大学3年頃は、バブルが崩壊して就職氷河期に入った頃でしたが、就職活動はしませんでした。
4年生の4月になって、初めてまわりのほとんど就職が決まっていると気付き、
とりあえずリクルートから届いていたIT関連会社のハガキを書いて応募。
幸運にも、IT業界は人が足りず求人が多かったので、QUICKの子会社に採用されました。

「人と接する仕事がしたい」SEでありながら営業も

そこでは、4年間、SEとして働き、ITの基礎を勉強させてもらいました。
しかし、途中から、自分の性格がエンジニア向きではないと気付きました。
プログラミングは楽しいのですが、人とコミュニケーションを取りながら仕事をしたかったので、
物足りなさを感じていたのです。

そんな満たされない日々の中、昔、「社長になりたい」と思っていたことを思い出しました。
そのためには、営業の仕事をして数字が取れるようになり、その数字を持って独立しようと考えました。
しかし、違う職種に転職すると、新卒と同じ扱いで、給料も下がってしまいます。

そこで、SEの中でもお客様と直に接することができる仕事を探し、
富士ゼロックスのシステムインテグレーション部門に転職。
客先に常駐でプロジェクトを進め、自分の技術も活かしてお客様とも折衝できる仕事です。
国内のビッグユーザーだけを相手にする部隊で、
優秀な人ばかりが集まっていて、非常にいい影響を受けました。

3年間で3社を立ち上げ。初年度から黒字で増収増益

2003年、知人から「一緒に起業しよう」と声をかけられました。
それまで、「社長になりたい」という漠然とした思いはあっても、
どうしたらなれるかわからなかったのが、いきなりのチャンス到来。
退職して会社の立ち上げを手伝い、役員になり、営業やプロジェクトの責任者を2年間勤めました。
ずっと増収増益で自信もつき、さらにもう1社を立ち上げました。
そして、2006年にアドバンスト・ビジネス・インターナショナル株式会社を設立。
すでに十分なノウハウを持っていたので、不安はありませんでした。

エンジニア時代に、数々のシステム開発プロジェクトの現場で痛感した問題点の一つに、
「優秀なプロジェクトマネージャーが少ない」ということがありました。
だから、優秀なプロジェクトマネージャー集団を作り上げ、クライアントに対して
質の高いプロジェクト成果を提供することを目指して、当社を設立しました。

当社は初年度から黒字。
私の強みは、営業でありながらエンジニアとして顧客サービスもできることです。
だから、当時の取引先に独立することを話すと、新しく設立する会社に
契約移管してもいいというお話をいただくことができました。
だから、会社を立ち上げた当初からお客様との契約があり、
初めの月から売上げが立つという状況でした。
私は、「資本がなくてもお客様さえいれば会社は立ち上がる」という
考えを強くもっていたので、それを実践してうまくいったのです。

IT業界のものづくりの品質を高め、10億円&100名の会社を目指す

当初の目標は、「10億円、100名の会社」。
2011年で7期目になりますが、増収増益を続けてはいるものの、
リーマンショックや大震災等の影響で、まだそこまでに届いていません。
これを3年後には実現させ、その次は株式公開を一つの通過点と考えています。

当社の基本コンセプトは、「IT業界のものづくり品質の向上に貢献する」こと。
現在は主に、プロジェクトマネジメントの品質を向上する事で、
プロジェクトマネジメント品質を高めるためのサービスを提供しています。
しかし、今のサービスは主にお客様先へ当社の従業員を派遣する形で提供しており、
その成果物やノウハウが当社には残りません。

そこで、2011年からは自社開発をスタートしました。
ものづくりの品質を高めるのは、プロジェクトマネジメントだけではありません。
将来はゼロからの開発を排除して、極力パッケージをベースとした
システムインテグレーションサービス(SI事業)を推進してする事で
短納期、ローコスト、高品質を実現したものづくりをお客様に提供したいと考えています。
家づくりで言えば、柱1本から設計するフルオーダーメイドのシステムではなく、
あらかじめ工場で生産されたユニットを組み合わせ、カスタマイズするようなものづくり
と言えばわかりやすいでしょうか?
まずは自社開発でノウハウを蓄積し、新しいビジネス展開を実現していきます。

エンジニアとしての技術以前に社会人としての自覚を持て

IT業界は右肩上がりで、常にエンジニアが足りないので、就職は売り手市場です。
そうして守られているせいで、残念ながら社会常識やモラル(道徳)に欠けているエンジニアが多いです。
10人中1人か2人は、時間にルーズだったり、精神的に極端に弱かったり、
社会生活に適応できなかったりと、何かしら問題がある人がいます。

技術的な部分は研修などで身につけることができますが、その前に、人として洗練されていることや、
最低限周囲に迷惑をかけないレベルの常識人であることが大切です。
そういった常識を備えた人を採用したいですね。

困難な状況で、人のせいにしてしまった時点で道は開けない

希望通りに就職できない場合、「社会が悪い」「政治が悪い」と人のせいにする方がいます。
周囲のせいにする事で自身のプライドは傷つきませんが、人として成長することは難しいでしょう。

就職難の時代でも、きちんと就職できている人はたくさんいます。
就職内定率が7割なら、7割の人は就職できているのです。
残りの3割に入ってしまったら、「自分は何か問題があるのではないか」と考えるべきです。
確かに、世の中の流れによって就職が難しい時期もあります。
しかし、企業は必ず人材を必要としています。
人のせいにばかりしていると、「会社が悪い」「仕事が合わない」
など文句を言いながら、点々と転職することになります。
私の実感では、転職回数が増えるほど企業にとって受け入れられにくく、転職しにくくなっていきます。
そうならないように、自分に起こったことは自分自身の問題としてとらえましょう。

どんな状況の中でも、必ず道はあります。
しかし、周りのせいにしてしまった瞬間に、それを探すことを辞めてしまう人が多いです。
社会に出たら、なんとか解決策を探して生きていかないといけないのですから、決して諦めないでください。