代表取締役 田原 元二

株式会社F.A.S 代表取締役 田原 元二

代表取締役 田原 元二

株式会社F.A.S
設立 2005年12月16日
事業内容
  • オープン・Web系及び汎用系のソフトウェア開発
    並びに技術者の派遣
会社HP http://www.fas-si.com/index.html

IT企業に就職、総務人事のプロフェッショナルに

学生時代は、特に目指す仕事や目標はなく、
「何をしたらいいのだろう」と漠然とした思いで過ごし、遊びに精を出していました。

就職活動をする時期になり、自分の得意なものは何かと考えたものの、
これといって積み上げたものはありませんでした。
大学を留年したこともあり、それなら専門学校に行って勉強しようと、
税理士の勉強をしました。

そして、100人ほどのIT企業に就職。
総務人事畑で長く勤めました。 
35歳くらいからは、会社の管理を全て任されるようになりました。

社長と社員が共に成長する会社を作ろうと、起業を決意

ところが、会社の教育体制が整っておらず、自己啓発に頼る部分が大きかったのです。
そこで、評価制度、教育制度、報酬制度などを見直し、人事制度改革を行いました。

また、ほとんどの社員が、自分の仕事の目先のビジョンと会社のビジョンとが
どこで一致するかがわからず、会社もビジョンを明確にしていないため、
モチベーションが低下している状態でした。
そこで、会社のビジョンを明確にし、それを噛み砕いて社員に伝える
管理職の育成などを推進しました。

そういった教育の成果が表れるには長い時間がかかるものですが、
会社のトップが結果をあせって、別のコンサルタントを依頼。
すると積み上げたものがまたリセットになり、私のモチベーションは下がってしまいました。

教育には、人をどう育てるかというよりも、共に歩み、
「一緒にやっていきましょう」という姿勢が必要です。
社員一人一人も、社長も成長することが、企業の繁栄につながるのです。
それが、私が起業した理由です。

コミュニケーション力の高い人、仕事を遊べる人を育てたい

ビジネスは、買い手がいないと成立しません。
趣味の世界とは違います。
ビジネスをどう展開するかは、自分がどう放つかではなく、
相手目線で、放ったことに対して相手がどう反応するかを意識することが重要です。
当社の教育では、そのために必要なコミュニケーションの取り方を重視しています。

多くの会社が、報告書などは一方通行で、社員が提出して終わってしまいます。
しかし、当社ではこまめに添削して表現方法などをアドバイスします。
そうやってコツコツ積み重ねないと文章能力は上がりません。
面倒だと思うこともありますが、いざ提案書を書いたり
企画をプレゼンしたりする時に、その能力が生きてきますから。

また、世の中はマニュアルだけで動いているわけではありません。
遊びのある人は、柔軟な応用力を持っています。
当社においても、冒険心を持った社員は、新しい発想やチャレンジを
してくれることが多いです。

私はどちらかというと慎重派なのですが、「仕事で遊べる人」には魅力があると感じます。
そういった人をたくさん育てなくてはいけないと思います。

このように、教育に関しては非常に強い思いがあり、一貫して力を入れています。
しかし、今では、私がお膳立てするのではなく、社員一人一人がチームで
教育プランを考えて実行する体制になっています。

私は、いつまでも社長をしようとは思っていません。
社長はステイタスではなく、本来はリーダーシップであるべきだと思うので、
当然リーダーシップがきかなければ交代だと思っています。
だから、社員にはいつも「自信がついたら、社長を交代してくれ」と言っていますよ。

人事経験を活かしてメンタルヘルスケアのサービスに進出

今は、メンタルヘルスケアのサービスサイトを立ち上げようと動いているところです。
医療側の「病気を治す」メンタルヘルスではなく、企業スタンスに立った
「原因を作らない」ためのケアが目的。
また、社員のメンタルに問題が起きた時に、それによる信頼損失を
最小限に抑える対応をすることがメインです。

うつ患者は年々増えて、現在は300万人ほどいるといわれています。
前職で人事の部署にいた時、うつによる人材流出がありました。
会社にとっては大きな痛手ですし、現場は信頼を失うし、
本人も収入がなくなってしまいます。

そういうことがなぜ起きるのか、なんとかできないのかという思いが、
このサイトを立ち上げようと考えた理由です。

また、IT業界に先詰まり感があり、技術者も、自分たちの技術が
いつまでも社会から求められるものではないということを熟知していています。
国際競争も激しくなっている中、自分たちが得意なものを作り、
それに従事できるような環境を作りたいという考えもあります。

だから、メンタルヘルスケア以外にも、様々な展開をしていこうと考えています。

結果を恐れずチャレンジできるのは若さの特権

私は起業する際に、「失敗したくない」という思いから
防御に入っていたのかもしれません。
しかし、いざ起業してみると、もっと若い時にやれば、
もっといろいろなことができたのではないかと思いました。
今は逆に、社員を抱えているので無駄な失敗はできませんが、一人だった時なら、
もっといろいろな可能性にチャレンジできたのではないかという思いがあります。

だから、学生のみなさんも、結果を恐れないでチャレンジしてみてください。

分からないことを素直に聞ける人が成長できる

IT業界といっても、ひたすらコンピュータに向かっていればいいわけではなく、
クライアントとの折衝もあります。
コミュニケーション能力が必要です。

自分をさらけ出さないと、なかなか相手の本質が見えてきません。
それができる、コミュニケーション能力の素地を持っている人だと、成長も早いです。

決して要領がいいわけではないのに、コミュニケーションがうまいために
かわいがられる人がいます。
気が付くと、その人の方が、もともと高い技術を持っていた人よりも
レベルが高くなっていることもあります。
逆に、技術は高くても、コミュニケーション能力が弱いために成長できない人もいます。

また、就職して初めの3年くらいは、分からないことは分からないと
素直に言えることが大切です。
しかし、これが言えない、同じことを何度も聞けないという人が多いです。

本当は、新人のうちに聞いておかないといけないのに、委縮してしまって聞けないのです。
ぜひ、若いうちに、わかるまで何度でも聞いて覚えることを心がけてください。