代表取締役 市川 純子

株式会社ジェイアンドティプランニング
設立 1997年 8月
事業内容
  • 美容・医療に特化したマーケティングPR会社
会社HP http://www.jtplanning.biz/index.html

小さな雑用仕事を楽しむ達人になる

「新入社員って転校生だと思うんです。
最初はお互い様子をみて、少しずつ様子をみて
環境に慣れていく、そういうところが転校生。」

卒業後、半導体メーカーに入社、仕入れを担当。
当時は女性が前線で働くのが難しい時代で
まずはお茶くみからというセオリーだった。
そんな時に思い出したのが、自身の2度の転校で得た経験だった。

普通の女子社員は嫌がるお茶くみ。でも全然嫌ではなかったという。
「入社研修で徹底的に教え込まれたからですね。
まず自分が働くことでいくらのコストがかかるか。
鉛筆一本の原価から、電気代がどの位かかるかまで教えられたんです。
新人は最初の3年は働いてもコストを回収できない
ということを叩き込まれましたね。」

お茶くみは、自分がやらなければ他の人がやらなければならない。
他の人の大事な業務時間、会議時間を削ってしまうことになる。
組織にはバランスが必要だということをみっちり教え込まれた。

新入社員時代は雑用を思いきり楽しんでやった。
3時のお茶の時間にはココアに生クリームをトッピングしたり、
ランチのお弁当の買い出しも、部署内全社員の食べているものを
リストアップし、みんなが昨日とは違ったものを食べられて「おいしい」と
喜んでもらえることが本当に嬉しかったという。

小さな仕事でも様々な工夫を凝らして
自分に与えられた仕事を楽しみながら過ごした。

楽しく働く秘訣「仕事を好きになるために人を好きになる」

雑用をする傍ら先輩社員の仕事を横目で見て勉強した。
「先輩と一緒に仕事が出来るというのはとても有難いことですよね。
年長者は自分の知らない貴重な経験や
ノウハウなど尊敬できるところを沢山持っているんです。
本当にすごい。それを吸収していくのって本当に楽しいんですよ!」

いろいろな人たちと接することでいいところが見える。
多くの人から様々な事を吸収できる。それが見えないのは自分の実力不足。
自分がちゃんと相手を知ろうとしていないだけだと言う。

「学生時代のようにお金を払って勉強するのではなく
お金を頂いて勉強できる。成長できる。
これって本当に凄い事ですよね。
ちゃんと叱ってくれる人もいる。
ダメなところを教えてもらえる。こんなに有難いことはないですよ。」

これまで働いてきて、最高の仕事人生を送れてきたと言う。

「そう思えるために一番必要なのは『感謝』。
働かせていただいている事、周囲に支えられていることへの感謝ですね。
感謝の気持ちを持てば自然と相手を好きになります。」

好きになれば尊敬できるようになる。
まずは自分の周囲にいる人たちに感謝し、好きになり、尊敬する。

「それからその人達とのコミュニケーションを取るんです。
偉大な経営者の成功した本を読んで憧れるのもいいけれど、本当に困ったとき
自分を一番助けてくれる人は身近な人たちですからね。
そういう人たちを好きになり、目標にするのが成長への一番の早道。」

自分が自分が、ではなく雇い主の立場に立つ

その後、広告代理店、PR会社で医療品や化粧品のプロモーションに携わる。
その過程でもっと多くの人の役に立ちたい、自分が出来るのはヘルスケアや
美容の分野での情報を世に広めることだと考え、
ヘルスケアやビューティ分野に特化したPR会社を設立。代表取締役に就任。
現在はPRのほかに商品開発のアドバイザーや通販のコンサルティング、
モニター試験の実施なども手掛けるようになった。

「社長に就任して感じたのは、人を雇うということはとっても大変だという事。」

新入社員には自分がエリートになって働くことをイメージするよりも
自分が働くことは、会社や先輩たちの今迄の頑張りの上で成りたっていると
イメージをめぐらせて欲しいという。

「そんな苦労が目に見えているのに新入社員を採用するのは
空気を変えたいときや元気が欲しいときなんですよ。」

今の若い人によくある悪いクセは“プチ評論家”だという。

「自分について分析し、結果を語る。そのわりには自信がなくて不安げ。
こういう人材は成長できないし、可愛がられません。
それより大事な事は『すがすがしい人』であること!
背筋を伸ばし、凛として正直に何も分かりません!でも頑張ります!
とはっきり言える人ですね。こんな人はカッコイイし採用されます」

いつも「動じない事」が大切

「私が心がけているのは、どんな人の前でもびびらない
動じない事ですね。
誰に会っても同じ態度で接することが出来ること。
お互いの役割をしっかりやっていれば、ビジネス上の変な媚びは
いらないと思います。」

「それと誰に何と言われようとぶれない事です。
お客様のために最上であると信じていることを口にしているので、
余り他の方の言うことで左右されないんです。
そういうぶれない心の強さが大事ですね。」
りません。

天職に巡りあうために前向きに就職活動を!

「リーマンショック以降の学生さんは、少し悲観的になっているかもしれません。
でも見方を変えれば、そんな時こそがチャンスですよ!
だって後は上がっていくしかないんですから。

それは被災された学生さんもそうだと思います。
大変な苦労をされていると思うが、それをどう考え、どう活かすか。
悲観的にならず、この思いをいつか役立ててほしいです。」

「企業は日本だけでない、ということも視野に入れてほしいですね。
例えば先日ロシアの方と仕事をしましたけど、
彼らは思慮深く、粘り強く、日本人にとても似ているんです。
ビックリしましたけど。でもそんなところからみると
自分が活躍できる場は海外にあるかもしれない、と
考えられると思うんですよね。
日本だけにとどめてしまうのはもったいない。
世界も視野に入れてほしいと思うんです。」

日本人は優秀なビジネスマンになれる。
起業をしたら世界中の雇用を生むようになって欲しいと願っている。

「一番大事なのは天職を見つける事!
この仕事は自分に向いていない、と決めつけず
まずは与えられた役割の中で役に立てるよう頑張ってみることですね。
そして自分の仕事を好きになる事。天職とは神様が決めたものではなく
自分が世の中の役に立ちたい、という気持ちから生まれるものだから。
それをつかみ取って欲しいですね!」

そういって朗らかに笑った。
そんな市川社長の姿はどこまでもすがすがしい。