代表取締役 川島 孝之

株式会社リプル 代表取締役 川島 孝之

代表取締役 川島 孝之

株式会社リプル
設立 1997年(平成9年)7月14日
事業内容
  • ポスター、雑誌広告、新聞広告、リーフレット、POP、会社案内、インナーツール等
    グラフィック広告・販促物の企画制作を中心にネーミング、パッケージ、CI、Web、映像、TV-CMにも参画。
    企画から制作まで「プロモーションをトータルに」提案。
    大手だけでなく、中小の企業の方の相談に直接のることも多い。
会社HP http://www.ripplesite.co.jp/

代表の個人blog

http://www.omotesando-ad.jp/

大学5年で気づいたコピーライターへの興味

 大学時代、4年生で就職活動をしたとき、広告代理店を受けて不採用になった経験があります。
振り返れば、マーケティングマネジメントのゼミに入っていて
漠然と「広告関係」という興味だけだったように思います。
結局は就職留年をして、5年生のときに夜間で通ったコピーライターの養成講座で、
クリエイティブ関連の仕事、特にコピーライターをやりたいとはっきりと思うようになりました。

 もともと本や映画、音楽などは好きでしたからアートといいますか、
文化的なことには関わりたいと考えていました。
とはいっても、小説家になりたいとかミュージシャンになりたいとかそういった方向ではなく、
アートに関わるんだけれどもビジネスのことにも関わる方向に進みたいと思っていましたね。
ビジネスとアートの融合という点で広告に惹かれていったのだと思います。

ダウングレードといわれた転職

卒業して就職したのは大手広告代理店でした。
制作部門で仕事をして、最終的には7年間そこで働きました。
ただ、広告代理店の制作というと自分で手を動かして書くというよりは、
プロデューサー的な仕事をするという面が強かったですね。
私は意識的に手を動かしていた方であったとは思いますが、
立場としてディレクション側にまわることが多く、
より制作現場に近いところでコピーライターとしての力をつけたいと思い、
10名ほどの広告制作会社に転職しました。

 当時は広告制作会社から広告代理店に入りたい人が山のようにいた時代で、
「どうして高倍率で代理店に入ったのに降りていくようなことをするんだ」と不思議がられましたね。
でも私は若くてまだ経験も浅いなかでディレクションやプロデュースをやるよりも、
コピーライターとしての技術を磨きたいという気持ちの方が強かったです。

転機、そして独立

転機となったのは40歳でした。
代理店から広告制作会社に移って約10年。
前々から自社を含め広告制作会社のあり方に対する不満というようなものはあって、
そろそろ独立ということを考えてはいました。
そんなとき父が他界していよいよやらなければ、という思いになったんです。
当時はフリーランスの時代でもありましたし、フリーへの憧れというのもあったのですが、
小さいながら「チーム」としての会社を作りました。

 広告制作会社のあり方に対する不満というと表現は難しいですが、
仕事のやり方や会社の体制に疑問があったんです。
残業続きで、世の中のトレンドに関わる仕事をしているのに
テレビドラマをやっている時間には帰れない、コンサートにも行けない、社外の人とも会わない。
そんな下請け的で閉鎖的な仕事の仕方でいいのだろうかという思いがありましたね。
だから今の私の会社では残業を強制したり、だらだらと長く仕事をしたりということはないです。
予定がある日はそれに間に合うようにやることをやって帰る。
メリハリをつけて仕事をする環境、社員の自主性に任せた働き方になっています。

これからの制作会社のスタイルを作りたい

今、広告制作会社はクライアントや広告代理店から言われたものを作るだけでは立ち行かなくなっています。
経営や商品開発など根っこの部分から取り組んで、プロモーション全体に関わっていかなければ
企業様のお役には立てないですし、作っている側としても面白くないですね。
一種のコンサルタント的な面も強くなっているかと思います。
 ただ私の会社は規模として大きくないので、なんでも自社スタッフだけでできるわけではありません。
そこで他社とのコラボレーションが必要になってきます。
他社とグループ会社を作るというような形ではなく、
会社としては小さいままで、優秀な外部のスタッフを充実させて一緒に仕事をしていく。
例えて言うなら、私の会社が中心の窓口となって、仕事を通じて様々な人や会社をつなげていく。
企画から一貫して大きい方向性を示していくような総合制作会社になっていきたいと思っています。

広い視野を持ったスペシャリストを目指す

小さい頃から両親に「その手、その足」と口癖のように言われていました。
自分の手足があるんだから、面倒がらずにちゃんと動きなさいということです。
とにかく、動くことをおしまないこと。
そんななかで、学生さんにはまずスペシャリストを目指してほしいですね。
自分の中心をしっかりと作っていく。
ただ、視野は常に広く持つことも忘れないでほしい。
スペシャリストであると同時にジェネラリストであるということが大切ではないかとも思いますから。
 自分の中心を持つと自分の考えというものができてきて、こだわりを持つようにもなります。
けれども「こっちの方向もあるよ」と言われたときに、
とりあえずやってみるような素直さや吸収力は必要だと思いますね。
そして、未消化でも常に「自分なりのアイデア」を「資料のカタチ」にして会議に持ってくること。

 また、これはどの業界もそうかもしれませんが、
人とちゃんと話ができることとサービス精神は重要だと思います。
相手の話をしっかりと聞いて、その人の目的や希望を確認しながら
「+αのある提案」を進めていくことが欠かせなくなってきますから。
お客様とも仲間とも意思疎通のできるチームで仕事をするというのがベストだと思いますね。