代表取締役 仙道 弘生

株式会社青丹社 代表取締役 仙道 弘生

代表取締役 仙道 弘生

株式会社青丹社
設立 1984年9月
事業内容
  • 企業・団体の広報誌・社内報など企業出版物の企画編集・制作・製作。
  • 創刊企画から印刷・発送代行サービスなど最終工程を含むワンストップサービスを提供する。
  • 社史・年史などの受注も多い。
  • 関連会社の出版社・(株)水曜社との協働による企業出版の出版プロデュースも提供する。
会社HP http://www.bookdom.net/seitansha/

学生時代は写真ばかり撮っていました

中学生で写真部に入り、高校では新聞部の部長をしていました。
もともと写真や文字などを扱う紙媒体などのメディアに興味があったんです。
ただ親に反対され大学に入ったんですが、結局写真研究会に入って写真ばかり撮っていました(笑)
写真屋さんで1年アルバイトをした後、結局写真学校に入学しました。
それが今の仕事につながっています。

卒業後、写真屋でのアルバイトを経て24歳の時に編集社に入りました。
小中学校の壁新聞を作っていたのですが、月に16点くらいを
編集部3人程で作っていたのですが、それはもう大変でした。
納期が波のように襲ってくる部署で、1日に2〜3件は必ず学校をまわり
毎日企画書を作らねばならなかったのです。
ただそのおかげで編集に必要なもの、写真やレイアウトも含めてすべてそこで学びましたね。
そして25歳の時に出版社に入社し、月刊雑誌を2年程作りました。
その後編集プロダクションの社長に誘われ編集長として2年働き、
30歳の時に退職してフリーとして事務所を作りました。
さらに32歳で法人化をし、毎年1人〜2人社員を増やしていき、現状は20数人の組織になりました。

営業はほとんどせずに仕事をつかんだ

学校を卒業してから1人で仕事をするまでの間に
かなりの取材をしてきたので、名刺だけでも1万5000枚ほどあります。
いろんな業界にいろいろな知り合いがいたので、
起業後は出版社に企画を売り込みに行ったり、
飲みながら話を持って行き仕事を取っていきました。
そこで懇意にしてくれる編集者の方ができ、向こうから
「これはどうですか?」「企画をまとめてほしい」と言われるようになり、
どんどん仕事が増えていきました。
創業2年目で単行本を約24冊作ったほどです。
さらに外注も頼んでアシスタントも増やしていくと、紹介の紹介で仕事がきたりもしました。
昔で言えば、近所の評判によって仕事が入ってくる植木屋さんみたいですね(笑)。
なので実を言うと1年目の数回くらいしか営業はしていません。

重要なのは、安心と期限とコスト

この仕事はやや専門性の高い仕事だから、
人様が認めてくれる仕事の質を提供できないとダメだと思います。
まずは「あの人に頼むのが安心だ」という一定のクオリティが担保できるかどうか。
次に急ぎの仕事にフレキシブルに対応できるかどうか。
時間的な問題をクリアできるかどうか。これは情熱ではなく技術的な問題ですね。
そして最後にコストです。コストに見合う仕事をできるかどうか。
私は、その予算に合わせた仕事のやり方を考えて、
そのやり方をその仕事に適合させて実現します。
それらが確保されれば、こういう受注型の仕事であっても
手をすり合わせて営業をしなくても大丈夫だと思います。
それがプロフェッションだろうとも思います。

身に着けた技術をアウトプットする方法は、情熱ではなく志

情熱だけではどうしても仕事は続けられません。
ただ、その情熱と気力や体力を使えば知識や技術を身に付けることは可能です。
問題はそれをアウトプットできるかどうか。これが非常に難しいです。
情熱だけで持続させていくのは厳しく、長く続くのはやはり「志」だと思います。
天職と言うのか、自分に合った仕事を長く楽しむということは、
一時的な情熱ではなく志で持ち続けるもの。
そこまでいくとゆくゆくはそれが自分の人生を活きる哲学のようなものになると思います。
今いる20代のスタッフは皆その途上に位置していますね。
そこでまず大切なのは基本的な技術なんです。
技術はどうしても必要で、そのインプットがきちんとしていないと
アウトプットは絶対にできません。
そしてそのインプットの方法は量をこなすということです。
若い時から仕事を選んで細かく仕事をしていても、それはしょせんアマチュアです。
量をこなして初めて身に付くものがあるのがプロの仕事。
量は必ず質に転化するもので、いわば情熱と志の間にあるものと言うのでしょうか、
それをうまく結び付けられる人がプロフェッションとして
やっていけるのではないかと思います。
天分やセンスと言われるようなものを補ってくれることもあるでしょう。
そしてそれを長く続けていくことで、その人だけのセオリーを作ることができます。

新卒採用者に求めるもの

現在の社員の平均年齢は32.3歳くらいで20代が10人ほど。
新卒者に求めるものは、物怖じせずに人と接することができるかどうかです。
変に緊張したりせず、自分の思っていることはマイナスだろうがきちんと物を言えるということ。
IQよりもEQ(心の知能指数)を重視したいと思っています。
そういう意味では情熱というのは若い時には基盤になったりしますね。
ボキャブラリーではなく自分自身に身に付いている信念というか。
我々メディアは情報発信者と読者の真ん中に立つものです。
その向こう側のことをきちんと考えていかないとメディアは作れません。
人と人をつなぐものを我々が作っているのです。
クライアントとの軸が一緒になっていて、ベクトルが合って初めて良いものが作れます。
自分の作りたいものを作るのではなく、相手の気持ちを推測できるということが重要です。