代表取締役社長 増村 貴之

株式会社アルカディア 代表取締役社長 増村 貴之

代表取締役社長 増村 貴之

株式会社アルカディア
設立 1999年
事業内容
  • ソフトウェア開発・制作業
会社HP

家業が倒産、18歳で就職。“自然な流れで”起業

高校生の時に、父が経営していた会社が倒産。
学校を中退し、アルバイトをしながら家計を支えました。
そして、大学の夜間部に通いながら、18歳で初めて就職したのがソフト開発会社でした。

もともとコンピューターは大嫌いで、IT分野に全く興味はありませんでした。
なんだか、非人間的に思えて。
でも、仕事はやらなくてはいけないことですから、
どうせやるなら楽しんでやろうと思っていましたね。

そして、21歳で独立。
30歳の時に、アルカディアを設立しました。

経営者だった父親の影響で、自分もいずれ起業するだろうという思いは常にありました。
かといって、「よし、起業するぞ!」と肩に力が入っていたわけではなく、
自然に道が開けてきて、会社設立に至ったという感じです。
ベンチャー企業には、一瞬の炎のようにパッと出てパッと消える会社が多いですが、
やはり一時の情熱は長続きしないんでしょうね。
僕の場合は、炭火のように静かに長く思い続けているうちに、
だんだんとよい仲間や先生に恵まれ、
それを自分が離さずにいたら、自然な流れで残った道が起業だったのです。

社員に独立してもらい、一国一城の主になってほしい

今後は、会社の規模を拡大するのではなく分散化していく予定です。
社員たちに独立してもらい、グル―プ会社化して、
それぞれが一国一城の主になってほしいのです。 

それは、先日、社員旅行で沖縄に行った時の経験から思いつきました。
社員の家族も一緒に行ったのですが、社員の息子である7歳と5歳の男の子が、
僕に「お前は社長か?」と言ったのです。
「どうかな。お前のパパが社長じゃないか?」と答えると、
男の子はパッとうれしそうな表情になり「そうかな!」と言いました。
その時の、無邪気な笑顔とはにかんだ表情が忘れられません。
そこで、社員の家族に夢を持ってもらうのも素晴らしいことだと思ったのです。
それだけでも、社長になることの価値があると思います。
また、社長になったら僕の苦労もわかってもらえるだろうという目論見もありますが(笑)。

事業内容としては、ソフト開発という分野で技術の最先端を追い続けている会社なので、
それを守りつつ、制作しているソフトをうまく使ってIT以外の仕事もしていきたいです。
WEBデザインや、店の経営などにチャレンジしていくという夢もあります。

不器用でも逃げない人こそが成長する

社員の採用については、入りたいと言ってくれた人は基本的にウェルカム。
当社は小さな会社ですから、大企業のように多くの応募者の中から選ぶことはできません。
選べないからこそ、その人を伸ばそうとし、どんな力を持っているのかをよく見て、
能力を磨こうと努力しています。

しかし、信頼できないと感じる人は採用しません。
信頼できる人というのは、大変な時に、自分からも仕事からも逃げない人です。
要領が悪いと言われようと、馬鹿正直でまっすぐで、
真正面から当たって砕けるような人の方が信頼できると私は思います。
また、そういう人の方が成長するんですよね。

逃げる人というのは、要領がいいかもしれませんが、面倒なことを避けて通るので、
成長する機会からも逃げていることになります。
そして、一度逃げると逃げ癖がついて、ずっと逃げ続けることになります。 
そういう人は、どこに行っても通用しません。
起業できたとしても長続きはしないでしょう。

自分の中に自分のメジャーを持つ

「自分の仕事はまず自分で評価しよう」
社員にはいつもそう言っています。
いい仕事をしても、必ずしも相手がそれをわかってくれるとは限りませんから、
まず自分で“いい仕事をした”と認識しないといけません。

そうしないと、人間は誰かに求められたい生き物ですから、
相手に認められよう、気に入られようとして人に迎合してしまいます。
そうすると、自分の力は伸びないし、自分を理解してくれる人だけを周りに置くようになり、
安易な方向に走りやすいのです。 

求められるために自分を捨てるのではなく、自分が正しいと思ったことをやってみて、
その思い通りにできたかどうか考えて、まず自分のやったことを自分で判断すること。
そうすれば、相手がわかってくれなくても、自分ではベストを尽くしたと納得がいきます。

「自分の中に自分のメジャーを持ちなさい」
これは、僕自身に対しての戒めでもあります。

求められる人物像に自分を合わせ過ぎないで

就職活動でも同じです。
自分が入りたい会社がこういう人材を求めているからといって、
それに自分を合わせ過ぎてはいけません。
そうでないと、みんな同じになってしまってはつまらないですよね。

器用な人は、相手から求められていることに合わせてうまく自分を表現できますよね。
自分で納得できていればいいのですが、
疑問に思っている部分があったとしたら、嘘になってしまいます。
嘘って、そうそう突き通せるものではありません。
嘘が嘘を呼んでどんどん大きくなり、自分の中で引け目となって引きずることになります。
そうすると「仕事なんてこんなものだ」と、斜に構えたような人間になってしまうことに。
そんな人間が信頼されるかというと、答えはNOです。

だから、決して他人に合わせ過ぎず、自分のメジャーで判断してください。